引っ越し作業終了
大量の魚を得て、ロープを手繰って竹筒を引き上げる。
相変わらずの坊主だが今日は少し手を変えてみよう。
捕らえた魚の中で特に生きが良いヤツを選んで竹筒の中に入れる。
生き餌にした事でどう変わるか見物だな。
ついでに密閉性のテストにもなるし、一石二鳥だ。
結果が出るまで最短でも半日、薪運びを頑張るとしようか。
昼御飯を前に何度も森の中を往復し、大量の薪を運び込む、元からあった分と合わさって1ヶ月やそこらじゃ使いきれないくらいの量になっている。
先々を見た場合はしばらくは薪作りをしなくても良いのだが干場ができた時は大仕事になる、ただでさえ大仕事なのに重なれば大変さは足し算ではなく乗算になるだろう。
まぁ薪干場が出来上がる頃には相応に減っているだろうから多少はマシと思おう。
さてまだ少し薪は残っているが空腹も限界だ、先にご飯にしよう。
今日は気分を変えて煮魚を作る
流石に魚の量が多いから作りがいがあるし様々な魚から出るエキスがタレに深みを持たし魚達に還元している事だろう。
いい感じの飴色とテカり、醤油のなんとも言えない香りと相まって思わず涎が出そうだ。
多少煮崩れしたものも有ったが腹に入れば同じと身の一欠けも残さず胃に納め、満腹と同時に満足感も味わう。
たまの贅沢が醤油や酒を使った煮物と言うのはいかがな物かとも思うがそれに勝る満足感は非常に心地いい。
食休みも兼ねての警戒網設置も晴れやかな気分で進むが同時に満腹感による動きにくさも如実に顔を出している。
メインは食休みだと割りきってカタツムリの歩みのような作業速度でほんの少しずつ木と木の間をロープで結び拠点の回りを囲んでいく。
まだまだ半分も済んでいないが合間を埋める作業としてはかなり早い進捗具合だな、そもそも作業としては前段階でここから竹の加工とかも有るのだから急いだ所で停滞は必須、ある程度作業速度をコントロールしないとだな。
腹も落ち着いた所で薪運びに戻る、残っているのは大した量ではなくせいぜいが二往復と言ったところか。
薪の運び込み作業をようやく終え、次の作業に移る。
旧拠点に向かいそこから丘の頂上に向かうルートの再開拓を開始する、今日明日で片付けて竹の搬入をやらないとそろそろ梅雨前線が来てしまう、間に合わないだろうがせめて柱くらいは建てたい。
さて幸いにして運び込むのが竹だから極端に道を広げる必要はない、それでもそこそこの量の枝を払い木を斬り倒す事になるだろう。




