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番外編6-3

 八階にまで登って壁掛けの地図を便りに部屋を探す、しかし通路と扉の集合体みたいな部屋だな、これで部屋とビルの形が六角形なら蜂の巣だ、地図を見る限りだとBとCの差はかなり有るな、Aは一階層を二分割、廊下分を差し引いてもかなり広くBは軽く見て高校とかの教室よりちと狭いくらい、Cはワンルームくらいかね? 広く見て十畳くらいだと思う。

 扉から扉までの歩測的にもおおよそ検討は着くが奥行きは不明だし壁の厚さも有るからな、ある程度の防音対策してるなら部屋は狭くなるし。

二度程廊下を曲がりようやく7-Cと刻まれた扉の前に立つ、武骨な鉄の扉の横に相変わらずのICリーダー、やはり企業スパイとか居るのだろうな。


 社証をかざしてからノックして扉を開く、やはり緊張するが今日だけで何度目だ。

 「本日よりこちらでお世話になります高田です、宜しくお願いします」

 「やぁいらっしゃい、いやはや君なら適任と言えるねうん、むしろ専門家だ、これは心強いのを寄越してくれたみたいで課長には感謝しかないよ」


 扉を閉める、7-C、なるほど部屋は間違えていないらしい、もう一度開いてみれば一番奥の間違いなくリーダー的な席に変態が座っていて手前に並んだ席には名も知らぬ同僚が壁には資料を納めているのだろうラックが、都合八畳程度の部屋の中に机が七台並んでいる。

 あぁ、神様とやら、仏様でも良い、悪魔や天使、はたまた宇宙人だって良い、これが夢であれ、目覚めたら無人島生活2日目の朝とかでも俺は喜んで生活を送るだろう、普段ならクソだとしか思わない夢落ちにどうかなって欲しい。

あるいは誰か変わってくれ、手一杯の名も知らぬ先輩に、俺以外なら他の誰でも良い、なんなら掃除のオッチャンとかでも良い、変わってくれ頼むから。


 四半秒、現実逃避に費やしたのはせいぜいがそのくらいだろう、人生諦めが肝心とは誰の言葉かは知らないが諦めるしかないのだ、受け入れるしかないのだ、例え嫌でも泣いて叫んで済んだ幼少の頃はとっくの昔に過ぎ去っている。

 ただ、狙ってかは知らないが願わくば爺に死ぬほどの苦しみを与えたまえ、そしてついでに目の前の変態になるべく早いお迎えが来ますようにだ。


 「さて、紹介しよう、私の大学時代の後輩だ、まぁ有能だし真面目だからいろいろと押し付けると良いさ、そして後輩よ、私のプロジェクトメンバーだ、自己紹介は後としてプロジェクトについて、これはまだ社外秘だから家族にも漏らさぬように」

 「今度我が社の直営店を県内にオープンさせる事が決まっている、君には市場調査や店内配置、ポップ、アナウンス方法辺りの洗い出しを期待している、なんたってそれが専門だろう? 他にもいろいろと動いてはもらうが一先ずは仕事に慣れて貰ってからだね、目標は年内までに社外に広報して来年春オープンだ、しばらくは隣の席か前の席か、まぁその二人に着いて今までのデータとか確認しつつ学んでくれ」

またやりがいが有りそうなのを、そして面倒なのを、間違いなく狙いやがったな、下手をすると爺も噛んでやがる、騙しやがったな狸め、そして図りやがったなド変態が、一段落したら俺は鬼になれそうだ。

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