朝食
飲み物とか用意し終えて配膳も終わる、そのタイミングで使った調理器具も大方洗い終えて居間へだ、全くと言って良いほどに無駄のない洗練された動きはどうやらサバイバルで衰えたりはしていなかったらしい、火加減とかも完璧だったと言うかツマミ一つだからな、物凄く楽だ。
焚き火でも火加減が可能なくらいに手慣れはしたがやはり楽さは段違いだ、後はバターが嫌ってくらいに馴染んだフライパンってのも大きい、使ってた中華鍋も油を馴染ませる余裕が無かったからな、地味に焦げ付きとの戦いだった、1年も使い込めばいい感じに馴染みはしたが理想のソレではない。
本気で育て上げるならば空焚きや油塗りを繰り返しつつコーティングしていく必要がある、俺のフライパン等は買ってから10年も鍛え上げた逸品だからな、バターが物凄く馴染んでいるから空焚きの時点で薫る程で料理によっては合わない、だからイタリアンとか作るためにオリーブオイル特化のフライパン作ったくらいだ、なんならサラダオイル特化の物も有る、フライパンを3つも4つもってのは邪魔なんだが美味しい物を食べるための労力は惜しまない。
適当に用意されたジャムやらバターやらが有るがとりあえずマグカップにインスタントコーヒー容れてポットからお湯を注ぐ、なんと文明的な生活かと思うくらいに文明的だ、薪に着火する所から始める必要が無いってだけで感動できるって家電が世に生まれた第一時高度成長期の人かここ数世紀でようやく文明を受け入れた少数民族くらいでおそらく数十年ぶりとかになりそうだがキャンプ趣味の奴とかにも居るか、案外5秒前くらいにそう思った奴が世界の何処かに居るかもだ。
さりげなく差し出されたマグカップにお湯を注ぐ事2回、ようやくコーヒーが飲めると思えば先輩が俺の席に生い立ち筈のマグカップで飲んでいる、とりあえずお湯を頭からぶっかければ良いのだろうか? と本気で悩みつつ新たにコーヒーを作り直して相手にしない事にする。
どうせソレでも喜ぶのだろうが今の所はまだ大人しい、半裸だとかコーヒーだとか、生易しすぎて欠伸が出るくらいだ、それこそ墨巣さんをロックオンしたならばその瞬間に必殺のベアクローを顔面にお見舞いする必要が有る、地味に竹工で握力だけは60キロくらいは軽く有るからな、本気でやればリンゴは無理でもオレンジくらいならギリギリ潰せる筈だ。
ある者はコーヒー、ある者は牛乳、水なんてのも一人居るがようやく日常に帰ってきた感がある、家族以外が居る、まぁ鶴子は年一で滞在するし昇も何度か泊まったと言うか昨日は俺の部屋に布団敷いてイビキかいてたが、まぁ客がおおい事を無視するならば間違いなく日常だ、なんてことのない日々、ゴリラも熊も毎朝の漁も無い日々。
それを噛み締めるようにコーヒーを啜りつつ次の事に進むためにまたチマチマと準備からだ、やはりサバイバルだとかは関係なく一つ一つ進むのは何処でも何時でも変わらない。
その事に何故だか安心しつつはてさて次はどうなるのだろうと未来を夢想する、一つ確定している事が有るならば間違っても次は就活失敗したらサバイバルなんてバカはやらかさないって点だな。
就活失敗したらサバイバル完
2019/09/11 KAINE




