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コンビネーション

 ベットで寝るなんていう当たり前の事がこれほどまでに気持ちがいいとはな、やはりと言うべきかサバイバルが体に馴染んでいるらしく現代的な生活を思い出すには数日必要かね、目覚めて時計見たら4時とかで祖父でもまだ寝てるだろうって時間だが目はパッチリだ、生活リズムの改善も急務の一つかね。

 とりあえず顔を洗い水を一杯飲んで縁側に向かう、こんな早朝と呼ぶにも早すぎる時間だ、誰も起きていないだろうし起こすのも悪いからな、庭の竹でも切り出して少し彫刻でも彫るか、師匠の家に持ち込む物を決めるのとナイフじゃなくて彫刻刀での一刀彫りだ、ナイフよりは上等な物になるとは思うがとりあえず腕試しは我が家の家紋で良いか、悩むよりは良いし一度作ってるからな、あの頃よりは腕も少しは良いし道具がずっと良い、ミスなしなら朝飯を作る頃には六割くらいまでは進むだろう。

手早く素早く彫刻刀が動いていく、物凄くやりやすいな、ナイフで苦心していたのはなんだったのかと思うくらいに容易い。


 ひたすらチマチマと彫り進めて手早く鶴丸片翼までは漕ぎ着けた、マジでなんだったのかと思うくらいに簡単だな、ほんの2時間でコレって1日掛けてたのがバカらしくなってくる、ミスなく綺麗にってのもプラスしてマジで道具って大事だな、弘法は間違いなく筆を選んだと思える、なんなら紙も墨も選んだと思うぞ。

 そのくらい劇的に変わっている、質も早さも段違いでノンストレスでサクサク作業が進むな、この調子だと朝飯を作る頃には完成していそうだ。

1時間程掛けて亀甲の半分までか、たったの3時間で九割くらいか、マジで早いな、とりあえずそろそろ朝飯の用意を手伝うかね、人数が多いしトーストにスクランブルエッグ、サラダとスープはインスタントとして飲み物は牛乳とかで良いだろう。


 我が家のキッチンは意外でもなんでもなく広い、アイランドタイプの作業台とシンク、壁際にガスコンロ、冷蔵庫、オーブンレンジに様々な調理器具、元々は竈とか有ったらしいが数世紀も前までの話で何度もリフォームされて久しく最後は俺が生まれるずっと前、祖母拘りのキッチンは俺が修行を詰んだ場所で調味料から器具に至るまで何処に何が有るのか把握している、この数年で母が場所を変えていなければだが。

 手早くキュウリをスライスしてレタスをちぎり、ミニトマトをカット、オリーブオイルに塩と胡椒、ワインビネガーでドレッシング、サラダはこれで良いとして玉子を一人一個として九人か、常温の玉子を9個割り塩コショウを追加フォークで切るように混ぜる、間違っても泡立てたりはしない。

バターを鉄のフライパンに馴染ませて中火に、流石に一気に全量は無理だし四回くらいに分けるか、手早くスクランブルエッグを完成させつつ沸かしておいた湯を注ぐスープカップに顆粒のインスタントスープを容れていく、とりあえずオニオンコンソメが目に入ったからソレにしたのだが問題ないだろう。


 二度目のスクランブルエッグが焼き上がったタイミングで現れた母と阿吽の呼吸で盛り付けや配膳の用意を済ませていく、この辺りも祖母に仕込まれてるからな、何をどうしたら効率良く邪魔をしないかは親子だからという以上に磨かれたコンビネーションで仕上げていく。

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