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つもる話

 割りと両親に聞かせるにはどうかと思う言葉の応酬を終えておおよそ俺の負けだな、まぁ勝てるとは思っていなかったが変態の相手をある程度して溜めているであろうフラストレーション消して後顧之憂を絶てだ、と言うか願わくばこの変態が我が家の両親に会わないで一生を終えたかったのだが無理だったな、物凄く酷い事を言って良いのならばその点だけは墨巣さんを恨むぞ。

 とりあえず席に座りつつテーブルを見ればチキン南蛮とコロッケ、いやメンチカツかね? お袋は俺の好物知ってるし船酔いで昼飯食う気力も無かった、ハンバーグやらサラダやら、いろいろと用意してくれていて物凄くありがたい、作った本人は息子の口汚い応酬に目を白黒させているが、と言うか先輩もいい加減服を着てほしい。

今さら目のやり場に困るなんて事は無いが鬱陶しいからな、気が済んだならば願いたいが言うだけ無駄だろう、どうせ願うならば風邪にでもなって悪化して死ねばいいと心底願おう。


 「遅くなったがただいま、いろいろと心配をかけた、ソコのを除いて感謝しかない」

 先輩を顎で指しつつ帰還の報告だ、長かったがこれでようやく終わりで明日からは水だとか飯だとか風呂だとか、そんな物は気にしなくとも良い、金さえ有ればおおよそどうにかなるからな、後はもう予想通りなら検査と順応と仕事、大して事件は起こりそうにない、せいぜいが検査で何かに引っ掛かる程度でそれが大病で無いならば問題ですらない。


 「おかえり、とりあえずつもる話も有るが飯にしよう、胸くそ悪くなって喉が通らないなんてのは嫌だろうしな」

そう聞いて楽しく食事って難しいのだが祖母の教えだし大好物が二つも有るし、とりあえず久々の魚以外を楽しむかね。


 サラダってこんなに旨かったんだなとか、鶏肉の有りがたさとか、なんて事のない酢の物とかが美味しく感じてしまう、今なら鶴子の出した物でも……無理だな、トラウマが物凄い勢いで警鐘を鳴らしている、目の前に有っても間違いなく手を付けない、それがどれだけ見映えが良くて美味しそうに見えたとしても食べるというのは三途の川の片道切符を買うような愚行だろう。

 目の前で美味しそうにエビフライを食べているが舌は確かなのに何をどうしたら殺人兵器的な料理を作れるのか、激辛ミネストローネに謎のカレー、たった二度の失敗がコイツをキッチンに立たせないという結論を導き出した可能性、唯一任せられるとするならば刺身くらいかね。

後は魚の目利きくらいか、火と調味料には近付いて欲しくない、先輩も似たような物だがまだギリギリ食べられそうなのを作るからな、ある種の才能で天才的だがそんな才能はドブにでも捨てればいい。

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