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船酔い

 船に揺られてどれだけ経った、寝る事も叶わずひたすら気持ちの悪さに耐えつつ吐き気と目眩に絶望する、後どれだけ続ければ終わるのか不明だが地獄の炎とどちらがマシなのかね。

 どれだけ進んだのか、今がどの辺りなのかも解らないが終わりが近付いている事だけは確かでこの地獄も何時かは消える。

墨巣さんは元気そうで何よりだがアスリートって三半規管強いのかね? と言うか三半規管って鍛えられたりするのだろうか。


 カオス思考もひたすら気持ち悪いという一点に染められると効果は無いらしく、ただただ『まだか』という思考にしか行き着かない、そろそろ昼時も越えたし体感の速度からしておそらく陸も近いとは思うがソレを確かめる気力も勇気もない、これで見渡す限りまだ水平線とかなら立ち直れないだろう。

 もはや横に揺れているのか前後か上下か、はたまた回転かは解らないがひたすら吐き気との戦いだ、まさかここまで船酔いが辛いとか、と言うか確実にきた時より悪化しているな、体調不良か波が高いのか、マジで早く終わってほしい。

波間に揺られて体感的にはそろそろ夕方ってくらいに時間が過ぎて、しかし小窓から見える空を見るにまだ昼だ、昼の何時かまでは不明だがひたすら気持ち悪い。


 船がようやく速度を落としたらしく港が近いかはたまた別の理由か、揺れが少しでも収まれば気分もマシになると思うが陸酔いが有るとも聞いた記憶が微かに有る、陸に登っても地獄とかこの世こそ地獄なんていう教えが正しい様で無心論者の俺が仏門に入りたくなってくる、仏門に入ったとしても船酔いが治らないだろうから門を叩く事は無いが。

 三半規管を今からどうにか鍛えられたりしないかね? あるいは物凄く効く特効薬とかツボとか無いかね。

ゆるりと止まったらしくようやく陸地かね、繋留が終われば船室から這い出てしばらくは港でぶっ倒れる感じかね。


 地面に居るのにグラグラする、立ち上がるのも辛いが早く車に乗り込まないとマスコミが怖い、だと言うのに一歩一歩車に近付くと気持ち悪さが加速する。

 これ、おかしいな、余りにもおかしい、幾ら俺が船酔いしやすくとも車に近付くだけで気持ち悪さとなんとも言えないザワメキが心を支配する筈もない、試しに数歩下がれば緩和する、うん間違いないな、これ虫の知らせだ。

とりあえず横に動いてみたり前後してみたりで一通り試したら車を中心に嫌な感じが存在しているらしい、漁師さんも墨巣さんも運転手も物凄く怪訝な、言葉を選ばずに言えば頭のオカシイ奴を見る目をしているが知った事では無い。


 回り込んでみたりもして確信を得た、この車はヤバイ、何がとは解らないが酔いも治って来たから明確に虫の知らせが発揮されていて近付くだけでもヤバイ。

 痺れを切らしたのか運転手が出てきて近付いて来るがコッチは特に問題ないから車で確定だな、ブレーキかエンジンかは不明だが故障しているか間近って感じかね、乗ったらあの世まで一直線かもしれないくらいにヤバイ。

気付けば100万pvです、スマホに土下座するか感謝の舞いか、悩みどころですね。

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