草美味い旨い
少し遅くなりました。申し訳ないm(_ _)m
「いったいどうすれば良いんだ…」
大草原を目の前にして、先程までの気分の高揚は鎮まり。
生まれて二日目にして独立をしなければならなくなった状況、現実という名の惨酷な刃が俺の喉元に突きつけられている。
今のところ俺の身体の大きさは比較的小さなコボルトにすら劣る。
ゴブリンというモノがこの世界にいるかどうかは分からないが、もしいたとしても図体は負けていることだろう。
そんな俺が森の中でたった1匹、なんの狩の知識もなくやっていくのは心許ない。
穴を掘って生きていけば良いなどと浅はかにも考えていた過去の自分を戒めたい気分で胸がいっぱいになる。
「ーー!?」
ガサッと後ろから物音がした。その音にビビりまくる俺。
草影から出てきたのは野ウサギだった。が、大きさは俺の肩くらいまでの高さがあるので油断できたものではない。
ヤツが本気で俺を襲ってきたとしたら俺は軽く跳ね飛ばされることだろう。トラウマが蘇ってきそうなので想像はこの辺にしておこう。
クマと対峙した時は目を合わせながら、けっして背を向けないことだと聞いたことがある。
なので俺は野ウサギの目をジーっと見つめながら、野ウサギが去り行くのを待つ。
「………」
待っているのではなく自分が後ずさるのだったか。
前世のあやふやな記憶を元に精一杯生きようともがく俺。
転生二日目で死ぬのはさすがに嫌である。
相手に後ずさっていることがバレたら襲われるような気がしたので、できもしないムーンウォークで距離をとる。
ピクッと野ウサギが耳をはねさせた。
それに一々反応してビクビクする俺。
タッタッタッタッと小気味良いテンポで跳ねながら野ウサギは何処かに行ってしまった。
「ふ…。所詮はウサギ、モンスターである俺に恐れをなしたか!」
胸を張り大威張りで小さく声で勝ち名乗りをする俺。
いやさ、折角逃げた野ウサギがまたやって来たら面倒じゃん?なにも怖くてとかじゃありませんからね?
誰とも知らない宙空に向かってする必要性の薄い愚痴を言った。
ぐうぅ〜〜〜っとどこか安心する間の抜けた腹の音が鳴った。
日の差しはもう見えなくなってきている。赤に染められていた大草原の草花も、もう落ち着きを見せている。
「そりゃ腹が減るわけだ。なんせ朝から何も口にしていないからな」
というこで何か食う物はないかと俺は辺りを見渡す。
辺りには草がある。花や大きな気がある。苔生した岩もある。
………………
………
…
簡潔に纏めると、植物が生い茂っており他はない。
「肉……はないな、うん」
その通り。肉らしい物は一切ない。
まあ俺は生前ベジタリマンと呼ばれたことがあるほど野菜を食べていた。素直に金がなかったのもあるが、普通に野菜は嫌いじゃない。
一時期は野草を食べていたことすらあるほどだ。タンポポの葉を衣で揚げると美味しいことくらい知っている。
それにこの世界の草花は安全安心だ。なんせ賢狼のスキルで危ないかどうかを調べられるのだから。
というわけで、さあディナーの開始としましょうか。
そう決するやいなや、すぐ近くにあった確か草を食べた。食べてから気づいた、賢狼で調べてないことを……。
「……んぎゃ!?」
全身に痺れが奔る。どうやら俺は麻痺草を引き当てたようだ。
30秒ほどだろうか、痺れは意外と早く切れた。もしかしたらレベルが低かったのかも知れない。
【痺毒生成を取得】
【麻痺耐性を取得】
【光合成を取得】
【水分補給を取得】
【蒸散を取得】
【魅了を取得】
【生命強化を取得】
ピコーンというあの軽快な音が響くと同時に脳内に流れる言葉と情報。
そういえば俺には喰えば喰うほどスキルを手に入れて強くなるスキルがあったのを忘れていた。
草一つ喰っただけでこんなにスキルが手に入るとは……。なんというか、草旨い。
直ぐに同じ麻痺草を喰ってみたが先程の痺れは出なかったので、麻痺耐性というのが働いている証拠だろう。
「ふむ、これはいろいろと食うべきだな……」
今頃その結論を導き出した俺は、周りに生えている草を掴めるだけ掴んで一気に頬張った。
「ん!??」
すると一気に俺を襲う激痛の嵐。
今度は15秒ほどそれを味わい、悶絶する。
【生気吸収を取得】
【肉体活性を取得】
【催眠毒生成を取得】
【催眠耐性を取得】
【毒生成を取得】
【毒耐性を取得】
【侵食腐敗を取得】
【腐敗耐性を取得】
【魔力吸収を取得】
【魔防壁を取得】
【魔珠生成を取得】
【種子を取得】
【繊維糸を取得】
【進化途上を取得】
【精力強壮を取得】
【再生滋養を取得】
【精霊祝珠を取得】
【絶倫の助くを取得】
【魅惑(弱)が進化→魅惑】
【滋養強壮を取得】
なんかいろいろ手に入った。
最初の方に聞こえた毒系ヤバいな、それであの激痛か……。
しかしこの中にはまだまだいろんな草花がある。全て喰らえば俺は神にでもなれちゃったりしないだろうか?僕は異世界の神になる。
うん、あんなに頭は良くないので頭が良くなるスキルとか転がってないかしら?
そんなことを考えながら、とりあえず死なない程度と腹を下さない程度に大草原を喰って行こうと決心した。
腹減りは凄い、夜は長い、俺の限界は遠い。喰いまくろうじゃないか。
タグにある草最強宣言の片鱗でございました〜。
やっと自分の能力の凄さに気づいたアホな主人公、やはりアホなので調子乗ってあの名作の月くんの言葉をパチリやがった!
さてさて、天罰が降らないのか(作者に)心配になってまいりましたが次話をお待ちくださーい。
急募!!
作者を助けるつもりで草で手に入りそうな能力を感想で教えてください!!!!草最強宣言を助けておくんなまし〜!!このままじゃまた遅め投稿になっちゃいます〜!!!!
ご協力をお願いいたしますm(_ _)m