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Re:KoboldSaga  作者: 空見鳥
10/33

調子に乗りました、ごめんなさい

サブタイトルと内容の温度差がございますのでお気をつけください。

また、惨酷な描写っぽい物があります。

タグにする必要性があると思われる方は感想で教えてください。タグにしてきます。

 目の前を走り逃げるネズミ。

 それを追う俺。

 このまま行けば後数秒とせずに追いつき、喰うことができるだろ。


 その予想は的中し、【迅脚】を使っていることもあってネズミを容易に捕らえた。

 ピーピーっと泣き喚くネズミを丸々踊り食いする。

 ピコーンと何度も聞いた軽快な音と同時に言葉が響く。


 【窮鼠猫を噛むを取得】


 俺は猫でなくどちらかと言うと犬なのだが…、まあ諺だから良いか。

 これで動物から手に入れたのは五つ。【脱兎】【熱感知】【威圧の眼】【関節外し】そして今手に入れた【窮鼠猫を噛む】だ。

 喰った動物は、山犬を5匹、山猫を3匹、鼠を9匹、兎を4匹、蛇を2匹、イタチを3匹とけっこうな種類と量だ。なのに手に入れたのは四つだけ……。


 もしかしたら動物はスキルを奪いにくいのかもしれない。

 俺の知識的に動物とモンスターと人間の力関係は、動物<モンスター≦人間≦モンスターだ。

 モンスターや人間より動物は弱く、モンスターと人間ではばらつきがあるイメージだ。 とはいえ一概にモンスターや人間より動物の方が弱いとは言えないだろうが。


 まあ、今喰った動物は全て俺よりは弱かった。

 良い線いったのは蛇と山犬の群くらいか。

 だが蛇の毒は耐性で食らわず、山犬の連携も毒ガスを浴びせればすぐ終わった。

 うん、やはり動物は俺より弱かったのだと思う。そして9匹も喰わねばスキルを手に入れられなかったネズミが表す通り、弱いものを喰ってもスキルを取得するのは難しいのだろう。


 ならば何を喰えば良いのか、答えは簡単。モンスターを喰えば良い。

 動物は俺より下等種だったとしても、モンスターならコボルトは最下位だ。ゴブリンやスライムといい勝負な雑魚だ。しかも俺は産まれてまだ3日の赤子だからゴブリンより弱いだろう。

 自分で決めつけといて悲しくなるが、逆に考えればザコいゴブリンを倒して喰うだけでスキルが手に入るわけだ。弱者最高。


「ん?この考えだと俺は草や花、キノコに劣るということか……?」


 ………………。

 これ以上考えると悲しくなりそうだったので思考放棄することにした。



◇◇◇◇◇



 森の中をモンスターを求めて彷徨うこと数分。

 どこからか血の臭いが漂ってきた。

 俺はその臭いを(しるべ)に血の臭いの元へと向かう。何故か身体がそっちへ向かうべきだと言っている気がしたから。


 草木を掻き分け臭いの元へと辿り着いた、と同時に直感が危険だと警鐘を鳴らすので茂みに身を隠す。

 剣戟の音が聞こえてくる。

 茂みの隙間から覗き見ると、そこには5匹の鼻がデカく小汚い緑の小鬼とピンク色の二足歩行をする大きな豚がいた。見た目的にアレらはゴブリンとオークだろう。


 ゴブリン5匹VSオークという数に差があり過ぎる闘争だ。

 だがゴブリン2匹は片腕がもげていたり、目玉の代わりに石が詰まっている。他のゴブリンも軽傷とは言えない生傷が目立つ。

 対してオークはというと、こちらも傷はおっているようだが古傷のような物ばかりで今回受けた感のある傷は見当たらない。

 圧倒的にオークがゴブリン達に優っている。


 それもいた仕方ないことだな、そう思った。

 何故なら双方の所持する武器に差がある。片や木の棒や石を持つゴブリン、片や人間の武器でもパチったか錆び付いてはいるものの剣であるオーク。

 筋力や体格の差は歴然、武器にも差が生じ、優っているのは数だけなゴブリンが勝てるとは到底思えなかった。


 だがそれでも勇敢にオークへ駆け出すゴブリン。手に持ったその辺に落ちていそうな木の棒をオークへ振り落とす。

 木の棒の先端が尖っているのだから突けば良いのに、それともオークの肉体はソレを通さないのだろうか。

 オークが口の端を引き上げて嘲笑う。そしてオークが持つと短く見える直剣をゴブリンに合わせるように振り上げる。


 そんなことしたら無意味に武器の耐久性が消耗するだけだろうに、オークは振り下ろしてきた木の棒を直剣で壊す。

 そのせいで破砕した木の破片がオークとゴブリンを襲う。

 分厚い皮膚が弾いたようでオークは無傷だ。だがゴブリンは顔中に破片が突き刺さり血を吹き出して前のめりに倒れた。

 これをオークは狙ってやったのかは分からない。


 倒れたゴブリンを踏みつけようとしていたオークの脇腹を他のゴブリンが木の棒で突いた。

 さすがに突き刺さりはするようで、刺さった部分から血が滴る。

 一閃。オークが本気で直剣を横に振ったためゴブリンは無惨にも身体と首が別たれた。


「ピギィイヤァァァァアァアァアァアァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 オークが吠えた。怒りの咆哮だ。己よりも矮小で下等な存在が己に血を流させたことに対して。

 離れた場所にいる俺ですら一瞬身体が動かなくなった。間近で食らった3匹のゴブリンはたまったもんじゃなかろう。

 ゴブリンに向かってオークが跳ね飛んだ。そして身体の捻じれを利用して放った一振りで残りのゴブリン3匹の命の灯火を掻き消した。


 いまだ怒りは冷めやらぬようでゴブリンの死体を滅多刺しにしている。

 ピタッと動きが止まり、鼻がフゴフゴと何かを嗅いでいる。本能が警鐘をやかましく鳴らし、身体が勝手に震え出した。


 オークの血走った目だけが俺の方へと向けられる。

 見つかった、殺される。

 そう本能的に理解した瞬間(とき)には身体が動いていた。背面に向かって猛ダッシュ、逃走だ。

 ビュッと風を切る音が耳元で鳴った。前方にあった木にドガッとデカい音がし、石がメリ込んでいた。


 全身を寒気が襲う。

 股に生暖かい生きている証拠が流れる。

 ヒッヒッと呼吸困難に陥った喉が鳴る。


 【思考補助が自動発動しました】

 【光合成を使用し体内呼吸を開始します】


 何処かで声が聞こえる。

 その声は聞いていると身体が少し軽くなった。酸素が補給されたのだろうか。

 ピィイイギャァァアアアアア!っと後方から轟いて聞こえてきた。その途端身体が制御できなくなり固まった状態で前のめりに転けそうになる。


 【迅脚、肉体活性、滋養強壮、脚力上昇、脱兎を同時併用します】


 また声が聞こえ、身体の制御が脳に返された。

 足を大きく前に出して転けそうになるのを踏ん張り、駆け出す。

 先程よりも速度が増している。そのため木々を避けるのが難しくなった。


 【器官覚醒を使用します】


 また声が聞こえ、火事場のバカ力でも出たのか動体視力が良くなり避けれるようになった。

 後方から何かが聞こえた気がする。

 だがそんな物にかまっている暇は今の俺にはないので無視し、大草原に向かって駆け続ける。


 【危機察知を使用します】


 オークが追いついてこないように直線的に逃げるのではなく、ジグザグとした進み方で逃げる。

 なんとなく進んではいけない気がした方へは進まずに。そのおかげか俺は逃走中モンスターに一度も会わずに済んだ。



◇◇◇◇◇



 大草原に着いたと同時に俺は安堵からか、身体から力が抜けて頭からスライディングした。何度か地面の上を跳ねた。

 ゼェゼェと息が荒い。肩で息をしていることが分かる。何故か逃走中は息なんて気にならなかったが、倒れた時に息苦しくなった。

 そしてオークが追って来ていないかを確認していないことに気づき、俺からしたら丈の高い草に身を隠しつつ森の方を見る。が何も変化はなく、フイィ〜〜〜っと安堵の声を漏らしながら身を地に投げ出す。


 俺は数分程度仰向けのまま空を眺めた。

 空には前世と変わらぬ碧が広がっており、疎らに雲が泳いでいる。だが前世とは異なって雲と雲の間を大きな鳥と蛇、またはコウモリとトカゲを足したようなドラゴンらしきモノが飛んでいる。

 雲の端には虹がかかっており、その虹の上を巨大な何かが這っている。

 目を横に向ければ確実に前世には無かった、紫と白で縞模様になっている異様な百合のような形の花が生えている。


【百合の好色を取得】


 掴み喰らえば前世では聞こえぬはずの声が、前世には無かった『スキル』の名前を告げ取得したと伝える。

 掴んだ我が手を見れば、そこには毛むくじゃらなど超越した毛量で6指の異形な手。

 忘れてはならない産まれて3日という事実、そしてその前にも生きていた事実。


「くそ……ファンタジーファンタジーしやがって…………」


 生前は少なからずそういう作品を見、影響されて望んだりもした。そしてこの地においても、強力な能力を得たことで喜び勇んでいた。

 だが死という絶対的恐怖によって突きつけられた。創作物での追体験と違い、今いるこの世界は現実なのだと。


「……ょう」


 小さく声が漏れる。


「…くしょう、ちくしょうちくしょうちくしょう…!」


 横になり丸まって膝を抱え、やり場の無い気持ちを地面へ八つ当たりする。近くに生えている草を引き抜き、石を投げ、口内を噛んだ。

 死が背に張り付いている気がして、掻き毟る。それは背だけにとどまらず、全身に張り付いているのではと思い身体を近くにあった木に叩きつける。

 知らぬ間に目から滝のように涙が溢れ、嗚咽混じりの唾液が口から零れる。


「ぅ…じっ、()にだぐ……な"ぃ…」


 言葉が濁る。

 嗚咽が混じる。

 唾液が邪魔で上手く続けて言えなかった。

 それでも俺は腹の底からその言葉を口にした。自分の意思表示をするように、意思決定をするように。

 唾液を飲み込み、嗚咽我慢してーーー


「二度も死にたくねぇよ……!」


 俺は今日宣言した世界最強宣言を取り下げた。

 俺はそんな物にならなくても良いから、死なないように生きていくことを代わりに誓った。

 そうして俺は日が沈む前から、糸が切れたオモチャのように深い眠りについた。


 【ユニークスキル"現実拒絶者(シンデタマルカ)"を取得】

作者「調子に乗ったその日に挫折するってよくありますよねw」

主人公「すんません。マジすんませんでした…」

作者「んん〜?反省が足らんのではないかねコォボリィスくぅ〜ん?」

主人公「黙れ」(殴

作者「ゴッハァ!き…貴様誰に向かって拳を振っているのか分かっているのか!」

主人公「童貞ダメ作者」

作者「待って?童貞関係なくない!?ていうかお前はどうなんだよ!」

主人公「…フッ」(ドヤ顔

作者「え?嘘だよね?そんな設定決めてないよ?何ちょっと勝ち誇ってんの!?そんな設定ないからね!??」

主人公「えー、では皆さん。また次話でお会いしましょう」

作者「ちょっと待って!?なんで無視してんの?!そんな営業スマイルなんかしてもこの話は流れないy…ゴッボァハァア!」←殴られた


まだまだファンタジー草の能力を募集しております。ジャンジャン教えてください!合言葉は「草最強!」(・Д・)ノ

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