革命
スフェライオス穏健派、法術師、そしてプロトアーカ。
三者は一堂に会し、残されたスフェライオス――
母星と、娯楽としての侵攻に酔いしれてきた民間人の「これから」を話し合う。
(なお同時刻、スフェライオス拠点空間では、
スフェライオスとプロトアーカ本体との交戦が続いていた。)
議論の第一段階として、
セファルが一連のデータを提示する。
娯楽侵攻の映像記録。
それが、法術師たちの眼前に展開された。
実況者と酷似した語り口。
演出された興奮。
視聴者の反応を拾い上げる構図。
強烈な既視感。
そして――
嘲笑されながら惑星が滅びていく光景に、誰も言葉を失った。
核は、攻撃手段ではない。
反応を観察するための“仕掛け”として放たれていた。
悲鳴。
炎。
数値化される死。
嫌悪が、胸に沈殿する。
次の瞬間、場は紛糾した。
「殲滅すべきだ」
「ここで断たねば、また繰り返す」
天文学的規模の法術による武力行使。
それを叫ぶ声が、会議室を支配しかける。
セファルは、それを受け入れる覚悟のように、黙していた。
その横で、神坂と黒羽が口を開く。
「それで、本当に終わるのか」
「やっていることが、彼らと同じにならないと、言えるか」
武力的には可能だ。
正面衝突も、殲滅も。
だが――
それを選べば、同じ場所に堕ちる。
心理的に、それだけは受け入れられなかった。
穏健派の説得に期待するのも、現実的ではない。
長年、娯楽侵攻に浸ってきた文明が、
外部の言葉だけで変わるはずがない。
沈黙の後、
セファルが口を開いた。
「ならば……革命を起こすしかありません」
時間はかかる。
世代をまたぐだろう。
だが、同じスフェライオスが声を上げ、
主戦派を内側から淘汰する。
他文明の怒りを見た。
自分たちが、何をしてきたかを、直視した。
だからこそ、
同胞と対立する覚悟を決めたのだ。




