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一時の勝利
1-1SAC<第1広域空間群・第1空間・開闢空間──空間管理中枢>
亜空間に隔離された演算指揮所、空間管理を行う拠点、ここで会議が開かれる。
空間管理中に生じた異常、空間をまたいだ侵略者への対応だ。
「いったんは勝利だ。おめでとう」
「……“いったん”だと?」
「まだ終わっていないのか?」
答えは、即座に示された。
「座標は割れている」
「移動方法も判明済みだ」
「再侵攻の可能性は高い」
結論は一つしかない。
――スフェライオス拠点空間への侵攻。
侵略者の根を断つ。
その決断を前に、プロトアーカが静かに告げる。
「ここにいる私は、端末にすぎない。
本体は、あの空間に残っている」
改心したこの端末とは異なり、
スフェライオス拠点空間には、なお本体が存在する。
この端末の判断や情報を、一笑に付す存在が。
「私は、神坂に興味を示した本体が遣わした一部だ。
……侵略対象空間の掌握も、目的のひとつではある」
それぞれの思惑を抱えたまま、
プロトアーカがワームホールを開闢する。
反撃が始まる。




