2-4
僕らは脱衣所に向かう。
そして着替える。
「よいしょっと」
姉は脱ぎ始めて下着姿になる。
上下ともシンプルな白だった。
「お姉ちゃん、もっとそっち」
僕も脱ぎ始める。
お気に入りの苺の柄のやつ。
「えー、しょうがないじゃん狭いんだし」
そんな風に言い合いする。
「そうだけどさ・・・ん・・・」
ブラが脱ぎずらい。
何かが引っかかってる気がした。
「お先にね」
「あ、待ってよ」
「あはは、待たな~い」
姉は先に風呂に入っていった。
「僕も行かないと」
急いでブラを脱ぐ。
早くしないと、姉が風呂のお湯を全て流してしまうのではないかと不安に思う。
前にふざけて飛び込んで入った実績がある。
そのせいで、浴槽のお湯は全て溢れ出たことがある。あとの人はとても寒い思いをしたものだ。というか、被害者は僕だ。
「先に入ってま~す」
姉が手を振ってる。
「身体ちゃんと洗った?」
「洗ったよ、洗わないわけないじゃん」
「そうだけど、たまに洗わないで入るじゃん」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
「いいじゃん、細かいことは」
「細かいかな?」
とりあえず僕はボディーソープで身体を洗う。
スポンジに泡をつけて、綺麗にする。
その後に、シャンプーハットをつける。
目に泡が入るのが嫌だからだ。
「普通、頭からしない?」
「普通、下からだよ」
「日陰ちゃん、変わってるからなぁ」
「そうかな」
僕は頭を洗っていく。
「ねぇ、じっとしてて」
「なに?」
「シャワー、してあげる」
「本当?じゃあ頼もうかな」
「美容師の日向でっす、よろしくでっす」
「何、その変なしゃべり方」
「美容師っぽくなろうと思って」
「そんな美容師居ないよ」
「まぁまぁ、遊びだからさ」
姉は僕の頭にシャワーを当てる。
「ふぁ」
頭に温かいお湯がかけられ、気持ちいい。
「お客さん、かゆいところないですかぁ~?」
「んんっ・・・平気」
「そっか、そっか」
「気持ちいい・・・」
人にやってもらうのはいいものだ。
なんとなく愛を感じるからかもしれない。
これは結構、センスが出ると思う。
下手な人だと痛いからだ。
そういう人は多分、気遣いとか苦手なんだろうなって思う。
「よし、OK」
姉がシャワーをし終える。
「終わった」
僕は犬みたいに頭を振って、水気を飛ばす。
「きゃっ、こっち飛んできた」
姉は手で顔を覆う。
「ごめん、わざとじゃないの」
「やったな!」
姉は風呂場の水をかけてくる。
「うわっ」
「あははは!」
「このっ」
僕はシャワーを持って応戦する。
水の掛け合いだった。
「ずぶぬれだ」
姉は笑う。
「風呂場だから問題ないよ」
「確かに」
姉は頬む。
「それじゃ、入ろうかな」
僕は湯船につかる。
「どうぞ」
姉が勧める。
「ふぅ・・・」
僕らは向かい合うように湯船に入る。
2人で入るものだから、結構窮屈だ。
「それにしても、スタイルいいね。
日陰ちゃん」
「そう・・・かな」
痩せてる方ではある。
でも、それはあまり固形物を食べないからだとは思う。健康的とは言えない。
「痩せてるじゃん」
「でも、それは食べ物をあまり食べずにお菓子ばっかりだから・・・」
「あー、なるほど。それはあんまりよくないかも」
姉は納得する。
「それだったらお姉ちゃんは健康的だと思う」
「そう?」
「ジムとか行ってるんでしょ?」
「毎日とかじゃないけどね。週に3回とかで、一日2時間とかかな」
「でも、それを3年も続けてるのは偉いよ」
「ありがとう」
姉は微笑む。
「それに食べものにも気を使ってる気がするし・・・」
「健康なのが一番だからね」
「だからなのかな」
「何が?」
「おっぱい」
「おっぱい?」
「巨乳じゃん」
「あはは、確かに」
姉は平均と比べると大きいサイズだと思う。
「僕は、ほら、貧乳だから」
僕は自分の胸に手を当てる。
土の中から植物が生えて来るんじゃないか?
ってぐらいの地面の膨らみが僕の胸のサイズと同じくらいだ。
なんとも情けない気持ちになってくる。
姉から自信を感じるのは胸も関係してるのではないかと思う。
「でも、日陰ちゃんは成長途中だからこれから大きくなるよ」
「いいよ、そういう慰めは」
「そうかなぁ?」
「・・・」
僕は姉の胸をじっと見る。
「日陰ちゃん?」
僕はガッっと胸を掴む。
「いつの日か、これは顔も知らない彼氏のものになるんだろうな」
そして揉む。
「その日が来たら、そうなるかもね。
でも、今は日陰ちゃんのものかな」
姉は僕に揉まれても抵抗することなく受け入れる。普通の人なら怒る所なのかもれいないが、そこは姉の懐の深さに感謝だ。
「それにしても柔らかい」
僕は揉み続ける。
よぎ〇ーのクッションが最高峰の柔らかさだと言うが、この触り心地には叶わないのではないだろうかと思わせられる。
「あの~、日陰ちゃん?」
「・・・」
僕は一心不乱に揉み続ける。
「目が・・・少し・・・怖くなって」
「はぁ・・・はぁ・・・」
僕は息が荒くなる。
「日陰ちゃん?」
「はぁ・・・はぁ・・・たまらん」
僕の中のおじさんが目を覚ます。
これが何時の日か他人に渡るのならば、
いっそのこと僕の手で!
「止めろーーーーーっ!」
姉はシャワーの温度を冷水に設定する。
そして、思いっきりに僕の頭にぶっかけるのだった。
「ぶっ」
突然の冷水に僕は驚く。
「はぁ・・・はぁ・・・落ち着いた?」
姉は顔を真っ赤にしていた。
「はい・・・落ち着きました」
僕は冷水をぶっかけられたことで冷静になるのだった。
「もう、あがるよ。
全く・・・」
姉は早々とあがっていった。
「は・・・は・・・はくしょん!」
僕は風呂に入ってるハズなのに、
思いっきり風邪ひいたみたいにくしゃみするのだった。