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8-3

僕は目が覚める。

すると、そこは病院のベットの上だと理解できた。

「目が覚めたかよ」

そこにいたのは明美さんだった。

「明美さん」

「自分も居ますよ」

「純太君・・・」

「良かったぜ」

明美さんがそんなことを言う。

「良かっ・・・た?」

「あぁ、俺には勇気を出して前向きに戦ってるように見えた」

「そっか」

「あぁ、だから胸を張れよ」

「でも、世間は受け入れてくれるかどうか」

「いいんだよ、そんなことは俺が正しいって思えるんだからさ。世間がどうであれ、俺はお前の友達であることを止めないよ。友達ってのは何処かで相手に尊敬があって初めてなりたつものだと思ってる。そういう意味で言えば、俺にとってお前は尊敬に値する人物だよ」

「明美さん」

「小生はそう、思いませんがね」

扉の隙間から手が伸びる。

「誰だ」

明美さんが怒鳴る。

「小生の名前は明道霊八、まぁ、しがないジャーナリストですよ」

霊八は扉を開けて、ずいと部屋の中に入ってくる。

「関係者以外は立ち入り禁止の筈だけどな」

明美さんが睨む。

「小生は一応、関係者扱いなんですよ。

ほら、記者ってのは世間に真実を報道する義務がありますからね。あらゆる場所に入る許可が下りやすいんですよ」

「真実だぁ?偏向報道の間違いじゃないのか?」

「失礼な、実際真実だったじゃないですか」

「なに?」

明美さんが少し驚く。

「お姉さん・・・嘘つきだったじゃないですか」

「まさか、お前」

明美さんは気づく。

いや、彼女だけじゃない。

純太君も、僕も、気づいた。

「そうです、姉の・・・いや、妹さんが姉のゴーストライターであることに」

「お前が売ったんだな」

明美さんは苛立ってる。

「売っただなんて人聞きが悪い。

生活をするために仕事をしてるだけですよ」

「他人の知られたくない秘密を暴いて、何が仕事だ」

「嘘つく人間が悪いんですよ、正直に生きていれば別に小生のような人間たちに狙われない。

でしょう?」

「だけど、人には言いたくないことが誰にだってあるものだろ。それを無理に暴こうとするのは卑怯な気がするぜ。遊園地のマスコットに脱げって強要してるような感じがして嫌な気分だ」

「ぐっ」

霊八は黙る。

「いいから消えろ」

明美さんは言い放つ。

「・・・」

霊八は僕の写真を撮る。

「くっ」

僕らは顔を手で押さえて眩しさを軽減させようとする。

「今話題の人物だ、写真を撮れば高く売れる。

売れるぞぉおおおおお!」

霊八は下品な顔をする。

「・・・」

明美さんはカメラを強引に奪い取る。

そして、何を思ったのかパンツを下げて下着を露出する。

「あ、明美さん何を」

僕は驚く。

「自分は何も見てません、何も」

純太君も何事かと思い、顔を隠す。

「・・・」

そして、明美さんは自分の下着を奪い取ったカメラで撮影する。

そのあと、カメラを地面に落として思い切り踏んづけた。

「小生のカメラを!」

「何だよ、文句あるか?」

明美さんは気にした様子は無さそうだ。

「窃盗で訴えてやる、それに器物破損もだ!」

霊八は叫ぶ。

「訴えて困るのはてめーだぜ、霊八」

明美さんは言い放つ。

「なに?」

霊八は困惑する。

「今、俺の下着写真が入ったデータがカメラの中に入ってる。警察が捜査したらデータを復元するかもしれねぇよなぁ?そうしたら困るのはてめーの方なんじゃねぇのか?」

「それは」

霊八は戸惑う。

「俺には下着の盗撮写真だって言い張る根拠が出来たぜ、法廷でお前の言い分が通るかな霊八」

「なるほど、分が悪い。今回は退こう」

霊八がそう言うと、急に停電が発生する。

「なんだ?」

明美さんを含めて僕らも驚く。

一瞬、真っ暗になったと思ったら電気が復旧してもとに戻る。

「一体何が・・・あっ」

僕は気づく、すでに霊八がそこに居ないことに。

「あの野郎、逃げ足が速い」

明美さんは不満そうだ。

「まぁ、でも、いいよ。追い払えたし」

僕はそんなことを言う。

「日陰・・・」

明美さんも納得したようだった。

「日陰ちゃん!」

部屋に誰かが勢いよく入ってくる。

それは僕の好きな人だった。

「お姉ちゃん」

「目覚ましたんだね、嬉しい」

姉は近づいて来て、僕を抱きしめる。

「苦しいよ、お姉ちゃん」

「苦しいのは生きてる証拠」

「そうだね」

「記者会見で意識を失ったから不安だったの」

「うん・・・ごめん」

「心配させないでよ」

「ごめんね、お姉ちゃん」

姉はぎゅっと抱きしめる。

「俺たちは邪魔そうだな」

「そうですね」

純太君たちは病室から出る。

「2人ともありがとう・・・僕の友達で居てくれて」

僕は2人にそう伝える。

「まぁ、姉との時間を楽しんでな」

「それでは、ごゆっくり」

純太君たちは去っていった。

「お姉ちゃん」

「日陰ちゃん」

お姉ちゃんに頭を撫でられるのだった。

子供扱いされてると嫌な気分になる人も居るそうだが、僕は何だか甘えられる気がして幸せだった。










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