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5-4

僕は目が覚める。

そこは白い部屋だった。

カーテンで囲まれており、ベットも綺麗な白だった。

「ここは」

僕はベットから起き上がる。

「死んだって聞いたから驚いたわぁ」

カーテンを開けて誰かが入ってくる。それは保険医の先生だった。

「僕の身に何が」

「テストの結果で死んだ人初めてよ」

保険医が笑っていた。

「ま、マジで?」

なんとも情けない話だ。

僕は顔がかーっと真っ赤になる。

「あの子が運んでくれたんだから」

「よぉ」

明美さんはソファーに座ってた。

「面目ない」

僕は謝る。

「謝罪文の語彙力だけは高いな」

明美さんにそんなことを言われる。

「う、うるさいな」

「すみません、自分の所為で」

純太君も心配してきてくれたようだ。

「あ、あれは僕が悪いのであって」

人を笑おうとした罰かもしれない。そんなことを思う。

「でも、無事でよかった」

純太君は微笑む。

「っ・・・」

その顔があまりにも真っすぐだったので僕は何だか自分の心が酷く歪んでる事実に気づかされたみたいで顔を逸らす。

「まぁ、無事だとは思うけど念のために病院に行っておく?」

保険医の先生に聞かれる。

「いえ、大丈夫です」

「そう、ならいいわ。

でも、授業中に体調悪くなったらいつでもいって。車はあるから送ってあげれるし」

保険医の先生にそんなことを言われるのだった。

「ご迷惑おかけしました」

僕はそういって保健室を後にする。廊下を歩きながら僕らは話し合う。

「帰りにバーガーって感じでもなくなったな」

明美さんにそんなこと言われる。

「すみません、自分が成績良過ぎて」

「ぐあああああ、嫌みか己は」

僕は発狂する。

「おい、やめろ純太。

こいつをまた殺す気か」

明美さんがつっこむ。

「いえ、自分はそんなつもりでは」

「でも、ハンバーガーは食べたいから帰りに行こう・・・反省会じゃ!」

僕は宣言する。

「まぁ、それでいいか」

明美さんは苦笑する。

「あ、自分は間違った所の復習したいんで今日は遠慮したいです」

まさかの純太君拒否だった。

「くそぉ、やはり真面目にやってるやつが結局一番成績いいのか?」

そんなことを僕は思うのだった。

「そうだぜ、真面目にやってるやつが一番いいんだ」

明美さんは自信満々に言う。

「明美さんは違うでしょうがあ」

「なんだと、お前に俺の何が分かるって言うんだ。俺より成績下の癖に」

「なんだと」

僕は喧嘩腰になる。

「まぁまぁ、低い同士争わないで」

純太君が仲裁に入る。

「3人でやるかぁ?」

明美さんが拳を鳴らす。

「上等じゃ、僕の毒手を見せてやる」

「いつの間にそんな」

純太君が真面目にそう答える。

「おーい」

龍堂寺先生が僕らに近づく。

「どうしたんですか、先生」

僕は尋ねる。

「いやぁ、申し訳ない」

先生が謝る。

「いや、先生の所為じゃないですよ。僕がただショック死しただけで」

「そのことじゃないんだ」

先生は否定する。

「どういうことです?」

僕は聞き返す。

「実はな、改めて見返してみたらお前のテスト合ってた部分があったんだ」

先生がそんなことを言う。

「ということは?」

「良かったな、日陰。

お前は32点だ」

「しゃああああああ!」

僕は叫ぶ。

「ちくしょう、気分悪い!」

明美さんは苛立ってる様子だった。

「僕の勝ちだぁああああ」

僕は叫ぶ。

「帰る!」

明美さんはそう言って帰るのだった。

「日陰・・・お前」

先生が意外そうな顔をする。

「な、なんすか?」

僕は急に尋ねられて少し驚く。

「いや・・・何でもない」

先生は何処か嬉しそうな顔をしていた。

「?」

僕は良く分からなかった。

「それじゃ、先生は明美を連れて帰るからお前らは教室に戻れ、いいな」

先生は明美さんを追いかけて行った。

「はーい」

残された僕らはこの後も授業があるので普通に受けた。そして1時間後に明美さんが抱えられて戻ってきたのが目に入った。

「ちくしょう・・・」

明美さんは泣いていた。

「テストで負けたぐらいで泣くんじゃない」

先生がツッコむ。

「これは男泣きだ…テストとは関係ない」

明美さんは悔しそうだった。

よほど僕に負けたのが悔しかったのだろう。

「お前は女だろう」

先生は呆れていたのだった。











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