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雨だれ  作者: 小池竜太
7/7

サヨナラ

思ったより早く終わります。いや、長編は、大変!

家へと帰る。家族は少し心配していた····




次の日。夜、夢を見る。朔のことを夢に見たい。けれど、どうしよう。朔にあってはいけないのかなあ。




朔にもう一度だけ会いたい。どうしても。すると、わたしはきれいな、どこまでも薄緑色の芝生のある庭に居る。そこに、朔がいる。



「朔くん!」

そう話しかける。朔は、少しさみしそうに笑って、挨拶をする。


「こんにちは、みよさん。僕は日本を離れることになりました。少しの間、アメリカに行ってきます。」

「アメリカ?」

「ええ、あの土地は自由が流行るとか·····そこで少し修行してこようと思っています」

「そうなの?」

「ええ、最後だから言うけれど、あなたとまた恋愛してみたかった。それが心残りです」

「······わたしは」

「いいんです、それじゃあ」

そう言うと朔は居なくなろうとする。

「キスしてよ、最後に···」

「········」


「いえ、それは·····」

わたしは、目を瞑る。朔が困っている様子が分かった。



朔は優しく、わたしの唇に唇を重ねた。思わず、照れてしまう。



「また、必ず、会うから」



わたしはそこで目を覚ます。あなたなら、そう言うと思った。なぜだかは分からないけれど·····






あれから七年が過ぎた。わたしは、高校を卒業した後、すぐに東京の大学に受かり、その後そこを卒業して、OLになった。毎日、会社へと通う日々。けれどそれにも慣れた。




 ある日、知り合いに、昔の友達を紹介するよ、と言われ、喫茶店でその誰かを待っていた。



 時間が流れる。ふと昔のことを思い出した。そう言えば高校の頃、朔と言う子に恋してたなあと思い出したのだ。あの子とは、それ以来会えなかった。それでよかったのだろうか····




喫茶店に知り合いが入ってくる。誰か背の高い、サングラスをした男性を連れている。まさかとは思った。だって会えるわけない。もう七年も音信不通なんだ。




 その彼は、少し輝いて見えた。

「久しぶり、みよさん」

そう言った。



朔とは、またやり直そうと思っている。いいんだ。それでいい。



 彼とわたしとが出会い、それで世界はまた一周する。かつて輝いていた物があった。きっとそれらは、また輝くことを知っている。




 これからのわたし達のことは、わたし達が決める。何があってもこの幸せを······守り抜こうと思う。だからこれでサヨナラだ。



 最後にここまで付き合ってくれたあなたに、ありがとうと言いたい。また話す機会もあると思う。それでは。


 


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