解放と運命
なんか長編って大変だね。色々考えなくちゃならないし。後2話くらいで終えます。
そう言うとわたしは、車に乗せられた。どうする?これって拉致じゃないの?
着いたところは、港だった。船が泊まっている。白い装飾の、割とどこにでもありそうな船だ。カイジを思い出す。一応豪華客船ということにしとこう。
「こちらです」
渋々言うことを聞く。だって言うことに逆らったら、命に関わるかもしれない。どうしよう?この後の展開が分からない。
「朔くん、君から説明しなさい」
そう言うと船から朔が降りてきた。少し痩せて顔色も悪い。
「朔、どうしてたの?大丈夫?」
「うん、平気。でもね、君とはもう会えないんだ」
「どうして?」
「僕は····君と会ってから、少し君を好きになった。それだけじゃない、君が特別だから、君と結ばれたくなったんだ····」
「そうなの?」
「·····それで世界のねじを壊してしまった。ねじがあったら君と僕とは結ばれないから····」
「ねじって何?」
「この世界のねじだよ。君は知らないだろうけれど、君と僕が結ばれないようにできていたんだ。」
「なんで?」
「昔のことだ。僕は、君が好きになったことがあった。けれど、僕は君のことが好き過ぎて君を殺してしまった。それも一度ではない、何度もだ。それ以来、世界は僕と君が結ばれないようにできているんだ」
「殺したの?わたしを?」
「うん。過去にね。それでねじが出来た。僕と君が結ばれないねじ。けれどこの世界には縁があって、君と僕とは、どうしても出会う」
「そう····だから、」
「だから怒られた。もうこんなことはするなと言われた。これ以上するのなら記憶も抹消すると脅されたよ。」
「······」
「それで話は終わりだ。」そう言うと、朔は、どこかへ行こうとする。
「待って!」
「いえ、もうこれ以上はいけません。みよさん、あなたは世界にとって大事な人なんです。あなたの思う人は知りませんが、結ばれるのは縁ある人なんです。その人が今何をしてるかも知ってます。」
「······そうですか。」
「あなたもその人に会っていますよ」
「そう。」
「話は終わりです。朔くんに最後に何か言うことはありませんか?」
「最後に?」
「ええ。」
わたしは迷う。何を言えばいいのだろう。何も、言えない。わたしを殺したと言った。朔はそんなに危ない人なのかなあ。
「うん、体に気をつけてって」
「了解しました」
わたしは家へと帰るのだろう。朔と別れてしまった。けれど朔のことをずっと覚えていたい······