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雨だれ  作者: 小池竜太
5/7

悠久の詩人

はあ、またライブ配信しよう····

 (僕と君は会ってはいけなかった)

どういう意味なんだろう?なぜ朔は、電話を?

(もう、会えない)

 どうして?考えてもこんがらがるばかりだ。



 ある日、学校で理恵にその話をした。

「そうねえ·····朔くん。何かしてはいけないことをしたのかなあ?電話つながるの?」

「あっ」

そう言えばそうだ。電話つながればもっと何か話をしてくれるのかも。




こうしてはいられない。けれども·····やっぱり怖い。わたしは臆病だ。現実は冷たい。そんな現実を見たくない。理想と現実のギャップがわたしを苦しめている。はーあ。誰かに相談できれば·····






 家に帰る。夕飯は、海老フライだった。そうして部屋で思い悩む。うん。やっぱり電話をしてみよう。



 電話を掛ける。出ない。おかけになった電話は·····の例の冷たいコールが鳴る。



 どうしたものか。そうすると、電話がなった。慌てて出る。


「ごめん。電話しないで。」

「でも会いたいよ」

「僕は、今、閉じ込められているんだ。それが罰だから」

「罰?」

「じゃあね」

そこで電話は切れた。朔は何をしたんだろう?罰と言っていた。何の罰なんだろう?



 とても寝れない。けれど、寝ないと明日もある。そうだよ、寝てる間に朔に話しかければ······寝よう。




その日の夢は、曖昧だった。朔に話しかけようとする。けれどいない。代わりに黒服を着た男の人がいて私に話しかけてくる。




『彼はやってはいけないことをした』

『何を?』

『それは、説明できない。いつかはあなたとも会えると思う』

『朔は悪くなんかない』

『申し訳ない』

『今すぐ返して』

『それは出来ない。閉じ込められている』



夜中に目を覚ます。どうしたらいいのだろう·····


また寝る。今度は、街に出てみる。



「朔が捕まっていて·····何とか解放したいの」

「そう。わたしでよければ相談に乗るよ」

「何とか、出来ない?」

「そうだね。君には、何ができるの?」

「えっと·····説得?」

「いや、少しでいいから、利益を取らせれば人間言う事を聞く時もあるよ」

「お金?」

「そうだね」

「でもわたしそんなにお金は·····」

「あるところにはあるよ」

「そう····」

「わたしは、とある詩人を知っている。誠実な人で、お金もあるし、相談に乗ってくれると思う」

「その人に·····紹介してもらえますか?」

「もちろん。」



その後は、わたしは、その人と話をした。藤の花がきれいに咲いている。そこで、その人と別れた。





明くる日、わたしは一日を過ごして、また寝ていた。その日の夜······



「今晩は、学生さん、名前はなんていうの?」「堀みよ、です」

「そう、僕のことは式と呼んでくれればいいよ」

「はい、式さん」

「単刀直入に言おう。君を助けることは出来ない」

「なぜですか?」

「その朔くんを閉じ込めている組織は危なすぎる。僕も、命がけでいかねければならない。なぜなら、その組織は政府の下部組織だからだ。」

「でも諦めるなんて出来ません。」

「死んだわけではない。いつかは会えると思うよ」

「だったらわたしが式さんを殺します。」

「·····そうか、なら本気で来なさい」

「式さんは卑怯です!女の子に戦ったり出来ません。」 

「では君はどうするんだい?」

「将来どんな手を使ってでも式さんを殺します。」

「そうか······そんなにも本気か·····」 

「朔くんを助けてください!お願いします!」

「命がけになるんだがね·······できることならしょう。お金ならある。それを使って君が交渉しなさい」

「·····恩に着ます」

「その政府の下部組織はファーコスと言うんのだけれど、世界の管理をしている組織なんだ。朔くんは、世界の大事なものを損なったと言っていた·····」

「世界の大事なもの·····」

「それが何かまでは言わなかったが···」

「わたしが、直接ファーコスと話をしてみます。」

「くれぐれも気をつけるんだよ」

「はい」



その夜はそこで会話は途切れた·····



 わたしは起きる。朝日が射している。何とかなるのか·····朔は悪くない。そのはずなんだ。



 その日は日曜日だ。わたしは、朝食を食べると、朝にシャワーを浴びて、外へ出た。外は晴れだ。きれいな青空が広がっている。




 式は、言っていた。朔は政府の下部組織ファーコスに捕まっていると。何がファーコスだ。ばかな名前·······



そう言えば豆知識でベートーヴェンは、雑巾でベトベトから、来ているらしいと聞いたことがある。



モーツァルトは、『もう沢山だ』から来てるとか·····



はーあ。一日は退屈だなあ。



「堀みよさんですね」

「はい、そうですが·······」

「ちょっと来てもらいます。朔くんのことで話があります」



あと少しです。久々の長編。

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