別れ
夢を見る。夢の内容は、勿論、朔のことだ。朔は、結構、手が早い。早い、うん。
「あの二人は·····」
「うん。何でもないよ。」
「もっと話していたかった」
「僕も」
そう、ベンチで二人で、話す。
「わたしのこと好き?」
「うん、好きだけれど······けど」
「けど?」
「うん。何でもない」
朔は何を考えているのだろう?わたしには、分からない。でも知りたい、あなたは何を考えているの?
朝、目が覚める。ほんとうにどうして、わたしは学生なのか····朝が早いのは会社員も同じだけれど、学生の朝は憂鬱だ。
お父さんに聞いたことがある。『会社に行くのは、憂鬱の時もあるけれど、仕事と思うと、しゃっきりするね』
そう聞いた。はーあ、でも働きたくないよお。学校かあ······
学校が終わる、一日が過ぎる。彼からラインの連絡はない。どうしてるのかな·····はあ。思わずため息が出る。
「みよ、どうしたの?」
「何、なに?」
「ため息なんてついて」
「雨だれ」
「何?」
「ショパンのことを考えてたの。雨だれっていい曲だけど、なんか切ないね」
学校から帰る。いつもの道を通る。森の木のようなヴェレイと言う喫茶店には行かない。
何か不穏な物を感じる。何かが自分と彼との間を割いてしまうのでないかと、そんな不安がある。
気のせいだ。そう思うことにした。
3日後、夜に、私へ電話が来た。
「もう、会えない」
「朔君?どうして?」
「僕と君は会ってはいけなかった。会うべきではなかった·······」
「そんなことないよ!」
「いや、いいんだ····いつか言えると思う。」
そこで電話は切れた。
何がなんだかさっぱりわからない。考えても浮かばない。落ち着け、わたし。
とりあえずその日も晩御飯を食べて寝た。寝ている間、苦しい気がした。