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いま頃になって 一話あたりの文字数が全然多くないと気づきました…。

20XX年10月7日am6時前 長野県某市田舎街のアパートの一室… 男の部屋 まだここ…?


男はスマホに表示されている内容を確かめた。

まず現状は、通話呼び出し中。そして、その相手表示が… "日本国政府"・・・

これはダメなやつです。こんな表示が出来る番号が存在するの? 色々といいの?どゆこと???出れるわっきゃないだろ!!怖すぎるって!!

その下に受信履歴146 留守電メッセージ99(上限) LINE受信1000件以上 Gメールも同規模以上…


キレた?相手を確かめてキッチリ文句と罵声?それなりの制裁を与える?いやだな〜 いい歳してなにガキみたいな事を

?もっと冷静に… まずは現状把握から・・

ムリっ!!まずは一服してからに決まってんじゃん!!

ただのオッサンだぞ俺は?!

度々でスマンが気を落ちつかせるには自分はタバコからだ。

振動し続けるスマホをタオルケットでしっかりくるんで椅子に置いた。

冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し一気に半分ほど飲む。

タバコに火をつけ咥えたまま部屋の窓を開ける。

今日も秋晴れだ。すでにこの辺りの朝は寒い。

窓から見える山々もしっかり紅葉している。


・・・現実逃避は諦めるか… もう逃げられる気がしない。

ナニからなのかはまったくわからんが…

逆らってもムダにしか感じない…。

めっちゃ怖いけどっっ!!

このままにしてても勝手に向こうから押し寄せて来る気しかしない。

だったら、自分も心構えというか、少しでも対応できるように…やはり状況把握とできるだけの情報が欲しい。

そんなもんで何とかなるとは絶対に思えんが、気休めでもいい。

何もしないでいると疑問と不安しか湧いてこない。


ビックリ・どっきり・フリーズ周年祭は始まったばかりだ。諦めろン?!俺っ!! ふっ・・


窓を閉めテーブルに戻りスマホ入りタオルケットをテーブルの脇に置き、椅子に座ってタバコを消してPC画面を見た…


スマホの振動が止まっているのに今気づいた。

・・・今回は比較的早かったんじゃない?(当社比…)

我ながら慣れって怖いわ なんでこうもあっさりフリーズ解けるし、この不思議な状況に対応しようと出来るの?

もうじき俺ってば達観とか解脱とかできちゃうの?俺はまだまだ俗世間にどっぷり浸かっていたいよ!? それに、フリーズは解けてもHP的なもんはガッツリ減るのよ?精神的にドっと疲れるというか… これも慣れてくれば平気になるの?おっさんラノベとか詳しくないからわからんからね?…

そっちから一方的にぶちかましまくって来てるんだからちゃんと手加減してね…?

できれば事前にアナウンスとか予告通知みたいのをソフトな感じでお願いできればありがたいんだけどね〜…


声には出さず、頭の中というか心の中で話しかけてる相手・・・

うん。ちゃんとPC画面の中に居ます。

ライブ配信映像では勿論なく、シャットダウン後の様に真っ暗な画面に…


髪も髭も皺の多い顔も肌も、着ているローブのような物も右手でついている身の丈と変わらなそうな立派に見える杖も… みんな真っ白なんだけど…

吸い込まれるようだけど温かく…それだけで優しく微笑んでいるとわかる瞳。

色とか上手く表現して伝えられない不思議な感じ…。

すっごい親しみを感じるお爺ちゃん。


神様だよね~・・・。


俺にはそうとしか見えなかった。

最近の神様はコンピューターやネットとかにも通じてるのね〜 これも時代ってやつ?神様レベルになるとそれくらいはモーマンタイ?

おっと!失礼しましたっ!!神様をお待たせして勝手に妄想に耽ってました。ごめんなさい。

椅子からね立ち上がり深々と頭を下げ反省と謝罪の意を示した。

姿勢を正し画面の神様を見ると変わらない温かい表情で微笑んでいる。

怒ってはなさそうなので一安心した。


「あのー それでご用件は?」

今度は声に出して聞いてみた。

神様は無言のまま微笑んでいるが…

画面の下部に字幕の様に文字が浮かんだ。

"ようやく連絡が取れた。直接そなたの頭の中に語りかける事も出来たが、それではあまりにもひどすぎる。"

"先程、そなたが申したように事前連絡もアナウンスもなしにいきなりはさすがに…"

"それで色々手段と根回しをしたのじゃが、そなたにはちと合わなかったようじゃ"

"スマホに届いている通知は儂から指示して関連機関から発信させたものじゃ。つまり、発信元は実在する本物で、しかも、そなたにだけの特別専用アドレスとなっておる。"

"リダイアルまたは返信すればダイレクトに当事者と連絡がとれる。"

"後程、それらは確認して欲しいが・・"

"ます、肝心なのは何故、そなたにはこのような事が起きておるのか?じゃ。"

"結論から言えば、儂。 いや、儂等が選んだ。俺等の総意じゃ。"

"では、なんのために?俺等から頼みがあるからじゃ。"

"その為に、そなたには新潟島に来て欲しい。詳しくは俺等と直接遭って話を聞いて納得できてからで構わん。"


"一つだけ覚えておいて欲しいのは、俺等とは・・ 新潟島に鎮する総ての神社及び寺院の主達の事じゃ。これには現在は既に無いが、過去に新潟島で人々から信じられていた者らもおる。俺等はその地さえ有れば不滅ゆえに。"

"まだまだ疑問は尽きぬじゃろうが、事を進めながらの方が理解しやすかったり納得出来る事も多い。特に普通の人間からしたら非常識な事柄などではな。"

"そこでまず、スマホの着信履歴から相手が誰等か?を確かめて欲しい。ちなみに、一連の相手先のアドレスは既にそなたのスマホのアドレス帳に登録してある。"

"それと、そなたの電子決済アプリと、そなた名義の新潟地方銀行及びゆう貯の口座にそれぞれ200万円ずつ入金済なのでこれも確かめるとよい。此度、そなたを驚かせた迷惑料と理解して受け取って欲しい。"

"ここまでを確かめ、とりあえずでも納得できたら着信履歴から新潟県知事を検索しなるべく早く電話してやって欲しい。どの連絡先もそなた専用のフリーダイヤルじゃから通話料はかからぬが、まずは県知事を行政側の最初のそなたとの連絡先とした。"

"まぁ、ゲームのチュートリアル中で知事もNPCの一人くらいで緊張せず進めて欲しい。"

"当の知事をはじめ国も新潟市も長野側の県や市もヤキモキしてるだろうが、そなたからの接触がなければ絶対に手出しさせぬようにしてある。"

"どうだろうか?いつでもログアウトできるゲームのチュートリアル中位の気楽な感じでやってみてもらえぬか?そなたを驚かせる事はまだあるだろうが、決してそなたに危害や不利益が加わることはない。"

"了解してくれればそなたの要望や希望は法に触れぬ範囲で善処する手筈になっておる。"


"いかがであろうか?"


ここまで 俺が読むペースに合わせて勝手に字幕が更新し、現在 最後の一行が表示されたままになっている。

神様の表情はずっと微笑んだまま変わらない。いや、変わらないのではなく、確信を持って喜んで微笑んでいるのだと何故か解った。

「ふぅ~ わかりました。」

「とりあえず ご指示通りに進んでみます。」

「神様と直接お遭いしてお話をお聞きしてみるところまではやりたいと思います。」

「ただ、明日からまた仕事があるのですが…」


"解っておる。そなたが新潟まで来てくれるのであれば万事対応・善処する。そなたに一切の不利益は被らせぬ。"


「わかりました。お任せします。」


俺がそう答えるといっそう喜んだようにも変わらぬ笑顔だったようにも思える温かさを残して神様は画面から消えた。

タバコに火をつけて一服吸い、ヨシ! と意気込んでスマホの着信履歴をチェックしていった。

表示される相手の役職名やら官庁名… 一般国民の着信履歴にあっていいものだとは思えないが…

俺ってついさっきまで神様と会話?意思疎通してたんだよな…・・うん。いまさらだわ。

タバコを一本吸い終わり缶コーヒーも飲み干して着信履歴の中の新潟県知事にリダイアルを掛けた。


「新潟県知事の田中 龍一でございます。お電話お待ちしておりました。」


申し訳ないけど本当に待ってたんだろうな〜 呼び出しの2コール目が終わる前に出たもん… 朝っぱらから県知事に電話またせる俺って・・

「お待たせしました。はじめまして。小林 和夫です。」

ってな〜に〜?!誰?小林和夫さんって?なんで俺はそんな偽名を名乗ってるんだ?

「はい。わかりました。小林様ですね。事情は把握しています。早速ですが、長野県知事から折り返しお電話がいきます。その指示に沿っていただければスムーズに事は進む手筈です。総てはあの方々からのご指示です。」


幾つかの疑問も最後の一言で納得して通話を切った。

数秒後、通話着信にスマホが揺れた。

発信元は長野県知事。躊躇わずに出た。

「はい。小林です。」自然に偽名を吐く。

「長野県知事の近藤 研二と申します。早速、ご要件をお伝えします。この後、10分ほどで小林様のお住まいの前に迎えの車が着きます。スマホ・身分証明書・貴重品等以外はなるべく身軽に、着替え等も下着からハンカチまで全てお任せください。あの方々が総てを取り計らう。と、お伝えするよう指示されています。」

「了解しました。よろしくお願いします。」

通話を切って着替える。と言ってもスーツにネクタイとかはしない。

相手はどー見てもお偉いさん揃いだろうが、そんなもん人間社会のしかも一国・その地方都市に呼ばれる立場で行くんだ。

国も関わっていそうだが、俺を呼んだ張本人は俺の外見なぞ気にもとめない方々の筈。なんの根拠も無いが何故か確信がある。

通勤時にも使う小さなリュックにノートPCとワイヤレスマウス・電源ケーブルとモバイルWi-Fi・通帳や免許証、保険証や印可等の入ったハンドバッグを詰め込みテーブルの上に置いた。

キッチンの窓を開けるとアパート前の道路が見える。

水道から水をグラスに一杯飲みタバコに火をつける。

二口吸ったところでアパート前に黒塗りの高級ワンボックスカーが止まった。

いかにもって感じに少しだけ眉を寄せるが、タバコをもうひとふかしして蛇口からの水で消してゴミ箱に捨て、バッグを肩に掛け戸締まりを確かめてから 開いている後部スライドドアの前で立つこれまたいかにもなマトリックス主人公黒眼鏡に声を掛けた…

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