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ぞく。かいととぼぴくん  作者: 割れせんべい
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ピポコさん

 そこまで考えて、ボピくんは思い直しました。

(でも、僕がここから逃げてしまったら、ピポコ

さんはどうなるんでちょうか?)

 ピポコさんというのは、この春に入所した人型

妖精の女性です。人型妖精というのは、体の一部

が野菜・道具・機械になっているということが無

く、体全体が人間と同じなのです。ただ、肌がプ

ニプニしているとか、手足が短く頭が大きいなど

の特徴があります。このような人型妖精は数が少

なく、ボピくんも出会うのは久しぶりです。ちな

みにボピくんも人型妖精です。

 ピポコさんは夫と離婚していますが、子供が三

人います。そのため、お金がたくさん必要なので

すが、就職できずに大変な苦労をしていました。

たまたま妖精ハローワークでここの求人を見て採

用され、今は通信販売部門で働いています。

 トマ里のようにボピくんをイジメる者が増えて

いるのですが、ピポコさんはそのようなことはせ

ず、ボピくんを見かけるといつも笑顔であいさつ

してくれるのです。

 ボピくんが研究所から逃げてしまったら、商品

が作れなくなり、研究所はつぶれ、ピポコさんは

また失業してしまうでしょう。そう思うと、ボピ

くんは逃げる気がなくなってしまいました。

(やっぱり、逃げるのはやめまちゅ。ここで、こ

のままがんばりまちゅ)

 いつの間にかボピくんはオヤツの今川焼を完食

していました。ボピくんはトマ里に命じられたこ

とを思い出しました。

(そうだ。オヤツを食べたら自転車こぎをやらな

きゃいけないんだった。でも、ヒザが痛くてでき

まちぇん。どうちたらいいでちょうか?)

 ボピくんは自転車に近寄り、何となくペダルに

さわってみました。すると、手でもペダルが回せ

たのです。

(あれっ?手でペダルを回しても、距離メーター

は動くのかな?)

 ボピくんは手でペダルをしばらく回してから距

離メーターを見てみました。すると、メーターは

回したぶんだけ動いていました。

(そうか!足で回さなくても、手で回せばいいん

だ!ボクってなんて頭がいいんだろう!)

 ボピくんは両手で片方のペダルをしっかり握っ

て、グルグルと回し始めました。

ー下に挿絵がありますー

挿絵(By みてみん)


 

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