あるべきもの
禅僧「その弱まりかたにもよるが、力が半分以下
にでもなれば、呪文の力を解消することは
なく、そなたは一生女性を愛する体質にな
るであろう」
海斗「そうですか。あの~、それと、百日間女性
にオマタにキスしてもらう、というのは何
なんですか?」
禅僧「それには霊的な意味は何も無い。ウマミダ
シノオウジとしては、そなたに棒と玉を返
す前に親しい女性を作らせておけば、同性
愛から卒業させやすいと考えたのだろう」
海斗「では、百日間、写経するというのは?」
禅僧「それも霊術には関係は無い。ウマミダシノ
オウジ達も一応、仏教徒だから、この機会
に仏教のことを勉強させようと思って、そ
んな宿題を出したのじゃろう。とにかく、
わしら正当派がムリヤリ派の者たちを全て
打ち負かし、人間界に介入する術を使えな
くしたから、今後はオマタがスッカラカン
になることはないから安心しなさい。ただ
し、すでに呪文をかけられた棒と玉につい
ては、そなたの希望どおりにするというこ
とはできないから気をつけなさい」
海斗「ありがとうございました」
朝、目覚めると、海斗くんのオマタには、ある
べきものが戻っていました。