完全セルフ
明美「(新人さんに聞く)がテレビ局組合が主催
するテレビ賞のさわやか部門の候補に入っ
ているんだって」
海斗「えっ、本当かい」
(新人さんに聞く)というのは海斗くんがリポー
ターになって色んな職場に出向き、そこの新人に
インタビューをするという番組なのです。
明美「本当よ。社会に明るい話題を届け、若者に
元気を与えたと評価されているのよ」
海斗「もし、受賞できたらすごいことだね」
明美「そうよ。だから、がんばりましょう」
海斗「うん。俺、絶対受賞してみせるよ」
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再びここはボピくんのいる岐阜県高山市です。
朝食の片付けをすませたボピくんは漫画でも買お
うとお寺の門を出ました。町には薄く雪が積もっ
ていて時刻は午前10時です。ここから午後3時
まで料理係は昼休みなのです。
ボピくんはたまたま見かけたコンビニに入りま
した。すると、そこは店員のいない完全セルフの
コンビニでした。
(うわ~。店員さんが一人もいないなんて、ちゅ
ごい店でちゅね。万引きされないのかな~?)
レジかごを手にとるとボピくんは雑誌コーナーに
向かいました。そして、八丁目の夕日という漫画
をレジかごに入れました。その時です。背後から
声がしたのです。
「やあ、ボピくん」