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才能無い?
実は、二日前からミカちゃんの体調がすぐれず
朝早く起きられなくなっているのでした。元々、
朝食の仕事は夕食に比べれば楽なので、オレンジ
山は朝の仕事をボピくんにまかせて、ミカちゃん
に付き添っているのでした。
さて、再び海斗くんと明美さんに話しを戻しま
す。日時は2月10日の夜の11時。二人は海斗
くんのアパートの部屋で一つのベッドに入り、仲
良く話をしています。
明美「海斗くん。今日のドラマの撮影、監督にず
いぶん叱られたね」
海斗「うん。俺、才能無いのかなあ」
明美「大丈夫よ。あなたはまだ新人なんだから。
初めっからうまくできる人なんているわけ
ないでしょ」
明美さんは海斗くんの頬をなでながら優しく言
いました。それでも暗い顔をしている海斗くんを
励まそうと、明美さんは事務所の社長から聞いた
うれしいニュースのことを話し始めました。
明美「そうそう。気分が晴れる明るいニュースが
あるのよ」
海斗「えっ、何、それ?」