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調理場
ボピくんは目覚まし時計のアラームを朝の五時
に設定しました。しかし、寒くてなかなか眠れま
せん。そんな時、ボピくんが考えるのはたいてい
海斗くんのことです。
(海斗くんと明美さん、仲良くやってるかなあ。
海斗くん、新しいオ〇ン〇ンのおかげで女性を
愛せるようになって良かったよ。だって、その
方が子供ができて楽しい家庭が作れそうだもん。
本当に良かったよ)
ボピくんには嫉妬とかジェラシーとかいう感情
がなくなっていました。そして、この時のボピく
んは、自分が消滅したとカン違いされて葬式まで
あげられていたとは知るよしもありませんでした。
翌朝、目覚ましが鳴ると、ボピくんは急いでテ
ントから出て調理場に向かいました。朝食は前日
の残り物でチャーハンを作るのが協会の定番です。
ボピくんはキャベツを素早く千切りにし、それに
残り物のごはんとおかずを加えてサッと炒め、仕
上げにケチャップを入れて、味をなじませるため
に再度炒めました。
ここまでで調理場にいるのはボピくん一人です。
同じ料理係のミカちゃんとオレンジ山はどうした
のでしょう。遅れて出てくるのでしょうか?