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骨壺
当然ですが遺体はないので、ボピくんが置いて
いった靴を遺体と見なしてお坊さんにお経を読ん
でもらいました。そして、その靴を火葬してもら
うように頼むと、二日後にその遺灰が骨壺に入れ
られて海斗くんの部屋に届けられたのです。それ
を受け取った海斗くんは急に悲しくなって明美さ
んに電話しました。
海斗「もしもし、明美ちゃん」
明美「はい、どうしたの、海斗くん?」
海斗「今、骨壺が来たんだ。そしたら急に涙が出
てきて」
明美「そうかあ。。。。今日の仕事できる?」
海斗「うん。なまじ仕事をしていた方が忘れられ
るから、俺やるよ」
明美「わかった。午後二時に迎えに行くからね」