ギルドに行く
ヴァルの後をついていき、アースの町に着いた。なんと人の多いことか。神域では見たこともない数だ。
「人がたくさんいるな この町はそんなに大きな町なのか。」とヴァルに尋ねる。
「そんなわけないじゃないですか ここは周辺の都市の中で一番小さい町です。人も少ないほうです。逆に神域では人がこれほど賑わう事はないのですか。」
「教皇様が正式に教皇になった時しかないな しかもあの時は厳かな雰囲気でこんなにうるさくなかったし
今更 本当に下界へ来たんだと実感したよ ところでこの後どうするんだ。 今持っている金額だったら何ができるんだ。」
「今はもうほぼ無一文です。 そこでケイル様の腕を見込んで 冒険者ギルドへと向かいます。 下界にはモンスターが出現します。 それらを討伐したり ダンジョンを探検したりするのが主な仕事です。 ケイル様
モンスターの討伐経験は?」
「ないな 俺の仕事は専ら異端者の排除と教皇様の護衛だからな。異形の化け物とは流石 下界だな。」とヴァルに伝える。モンスター 下界とは常にその様な危険が身近にあるのか。俺の腕が通用するのかどうか。しかしやらねばなるまい。教皇様の仇を討つためにも。
「わかりました。 取りあえず向かうとしますか。 あと 下界という言葉は慎んだほうがいいですよ。 こっちでは神に仕えるものは皆嫌われていますから。」
「ああ わかった。 気を付けるよ。」
ギルドへと着き 受付へと向かう。早速登録をしようと思ったが…
「おいおい えらくかわいい女じゃねえか こんなところじゃなくて もっといいところで遊ぼうぜ。」と男がヴァルへと触れようとする。早速絡まれている。助けようようと近づくが助けはいらなそうだな。
「下種が 私に触るな!」と男を吹っ飛ばした。すごいなおい。
「なんだ お前 そんなこと出来るなら 今朝も自分で対処できたんじゃないか?」
「今朝は不意を突かれてしまっただけです。 普段ならあんな雑魚 一瞬で殺せます。」とサラッと怖いことを言ったな。絶対に怒らせないようにしないと。
「なんだあのネーちゃん シルバー級のディースを一発で倒しやがった。 これは期待の新人ってやつかね これは縁を結んどいて損はないね おーいそこの二人」
「うん? 誰ですか あなた こいつの仲間?」
「いや 多分違うだろ 何用だ。」
「おいおいそんな警戒すんなよ 先輩としてアドバイスしようと思っただけだよ。 俺の名はトルケル よろしくな。」と男は言う。
「ああよろしく 俺の名はケイル こっちはヴァル それで アドバイスって?」
「なあーに 簡単なことよ。」とトルケルは俺に近づき囁く。
「お前 聖職者だろ。 その胸にある紋章 見たことがあるぜ せいぜい身だしなみには気を付けるんだな。」
「忠告ありがとう それじゃあまた おい ヴァル!! さっさと済ませよう。」急いで受付へと向かう。
「ヴァル あの男 危険かもしれない。 俺らの正体に気づいているかもしれない。」とヴァルに注意を促す。
「本当ですか? もしそうならただ者ではありませんね。 警戒しときます。」
そんなこんなで取りあえず冒険者登録をするために受付へとむかう。
「冒険者登録をしたいのだがいいかな?」
「冒険者登録ですね この石にあなたの血を一滴垂らしてください。 あ これ 針です。」と針を渡された。二人して血液を垂らす。
「これで終了です。 あとこれがギルドカードです。 無くすと罰金ですから気を付けてくださいね。早速クエストを受けるのならこのクエストがおすすめですね。」と一枚紙を渡された。
「なになに 薬草採取か。 このクエストは一回放置して今日はもう寝ないか。ヴァル?」
「何をおっしゃいますか。 今日の宿代もないといったでしょう。 さあ 行きますよ。 この依頼書に場所も書いてありますし 薬草は一般的なものですから 探すのに苦労はしないでしょう。」とヴァルが俺の手を引っ張る。俺の初めてのクエストは薬草採取か。法皇騎士だからそんなことしたことないけど大丈夫かよ。何となく嫌な予感がするな。