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ヒナ、魔法使いになる!

ヒナは、椿の木を見上げながら、目を閉じて願います。


「クロロ、遊びに来たよ」


かすかに「お〜」という声が聞こえた気がしました。


そっと目を開けると、そこはもう妖精界が広がっています。


色とりどりの花が咲いて気持ち良い風が踊っているかのようです。


「あ〜いつ来ても、ここはいいな」呟くヒナです。


「あれ、今日は1人?、アキときよは?」


「二人は、お昼寝中なんだ。抜け出してきちゃった」


「そうなんだ、どうしたの?」


「魔法を教えて欲しいんだ」


クロロは顎に手を当てながら「いいけど、人間界で使えるかどうかは、わからないよ」


「ここでは使えるの?」


「うん、妖精界では僕が作った魔法の杖を使って呪文を唱える練習をすれば使えるようになると思う」


ヒナは目を輝かせます。


「やったー」


「じゃあ、魔法の杖を作るね」

そう言いながら妖精王クロロは、何もない空間から短い椿の枝を一本出します。


そして、その枝に向かってなにやら呪文を唱えます。


ヒナには、ヒナの魔力という言葉だけが聞こえました。


クロロが呪文を唱え終えると、椿の枝が急にキラキラと輝き出します。


そしてスーッとヒナの手のひらの上にのりました。


「わぁ〜〜〜、これが僕の魔法の杖なの?手にくっついたよ」ヒナが言い終わらないうちに手のひらの中に消えてしまいました。


「あれれ!クロロ、助けて!魔法の杖が消えちゃった」


「あ、大丈夫だよ。ちゃんとヒナの体と同化したから。いつでも必要な時に願えば出てくるようになるから。そのためには、まず、魔法の杖に名前をつける必要があるよ」


「え、魔法の杖に名前をつけるの?」


「うん、名前をつけることで、より願いが叶いやすくなるんだ。他の人に悪用されないためでもあるよ」


「わかった、じゃあ名前をつける」

ヒナは、考えています。


「1回名付けると、名前の変更は出来ないから注意してね」クロロが言います。


「ウ〜〜ン、何がいいかな?」と難しい顔をしているヒナです。


「呼びやすい名前がいいよ。次からは、名前で呼び出すことになるから」


「最初はどうするの?」


「うん、僕が呼び出すから、大丈夫。決めたら言ってね」


「シャイン、ケイン、メイン、アイン、ウイン・・」ブツブツと呟くヒナです。


しばらく考えていたヒナでしたが決まったようです。

「よし、決めた!ウインにするよ」


「ウインだね。了解」

何やら呪文を唱えるクロロです。


気づけば、ヒナの手のひらに再び魔法の杖が現れます。


「お〜〜〜出てきたよ」


「君の名は、ウインと名付けるといいよ」


「うん、わかった」


手のひらの魔法の杖をみながら、ヒナが心を込めて言います。

「君の名は、ウイン」

すると、手のひらの上で杖がクルクル回り出して立ち上がります。


「我が名は、ウイン、よろしく」と話す杖です。


「わぁ〜〜、喋った」


「うん、ヒナと繋がったね。これから育てていくといいよ」


「え?魔法の杖って育てるものなの?」


「うん、僕が作った魔法の杖は、特別なんだ。

主人の心と繋がって一緒に育つんだよ」


「一緒に育つの?」


「そう、だから呪文も一緒に学ぶといいよ

1度覚えた呪文は、ウインも覚えているから、スムーズに発動するはず」


「僕も今、魔法について学んでいるところだから、一緒に学ぶ?」


「クロロ、ありがとう。うん、たくさん勉強して僕も魔法が使えるようになりたい」


にっこり笑顔のヒナです。


その後、妖精界では、2人仲良く魔法を学ぶ姿や魔法を実際に使って練習する姿が見られるようになりました。


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