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訳だけ! 十八史略+蒙求  作者: ヘツポツ斎
01-09 田斉

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01-09-04 斉九 宣王・湣王

 前 320 年に威王いおうが死ぬと「宣王せんおう」が立つ。宣王は文辞弁論に長けたものを好み、淳于髡じゅんうこんをはじめ「騶衍すうえん」「田駢でんべん」「愼到しんとう」と言った人物を高位に取り立てた。これによって斉の文学事業は盛んとなった。なお孟子もうしがやって来たが取り立てられなかった。


 前 300 年に宣王が死ぬと「湣王びんおう」が立つ。甥の「孟嘗君もうしょうくん」がその宰相となり、しん函谷関かんこくかんで撃破してその意気をくじき、そうを攻め滅ぼすなどの功績を挙げる。

 しかしこれによって湣王は驕慢となっていった。その中で「えん昭王しょうおう」はかつて斉に攻撃を受けたことがあり、それを恨んでいた。なので「楽毅がくき」を総大将として各国と連合、斉を攻撃。連合軍は斉の都「臨淄りんし」にまでなだれ込む。


 湣王はきょに逃げるも、そこにいた楚の将軍「淖歯どうし」に殺された。斉の領土のほとんどは他国に奪われ、「襄王じょうおう」が立った。



蒙求:


庶女振風しょじょしんふう 鄒衍降霜すうえんこうそう

『淮南子』に載るエピソード。斉の家に母と一男一女がいた。男のもとに嫁が来るが、子が生まれないうちに男は死亡。母は嫁に実家に戻るよう勧めたが、そのまま恭しく母に仕えた。一方娘は母の財産目当てで母を殺す。更にその罪を嫁に着せた。獄につながれた嫁はこのことを天に報告。すると天が怒り、風を呼び、その雷にて堤防を破壊させたという。

 鄒衍は斉に仕えた後、えんに仕えた。しかし讒言を受け、獄につながれる。天を仰ぎ嘆く鄒衍。その思いを聞き遂げた天は、真夏にもかかわらず燕の地に霜害をもたらしたという。

 無実の罪に怒る天。


趙孟疵面ちょうもうしめん 田駢天口でんへんてんこう

 魏晋期のしん(西晋か東晋かは不明)の名士趙孟は優れた弁舌の持ち主だが、顔に傷があった。そういったこともあり、何か難しい問題が発生したら「あの疵面に聞いてこい」と言われていたのだそうだ。

 一方の田駢も弁舌に優れていた。「天口の駢」と自称していたのだという。その自称通り、どえらく壮大なことを説いて回ったのだとか。

 優れた弁舌者ふたりという感じですが、微妙に数あわせ的なふいんきも感じないではないですわね?


宿瘤采桑しゅくりゅうさいそう 漆室憂葵しつしつゆうき

 湣王の妃はもと桑摘み女で、首に大きなこぶがあった。湣王が彼女の仕事場近くに来たとき、、他の者はぬかずくも、彼女は無視して仕事に精を出す。聞けば「桑を摘むことは教わったが王にぬかずくことは教わっていない」と言う。王が「面白い女だ、瘤があるのが難点だが」と言えば「私はこれを天職としていて、あなたとあずかり知らぬ存在。瘤の有無になんの障りがあるのか」とぴしゃり。すっかり気に入った湣王、彼女を王宮に引き連れようとする。すると今度は「親に断りも無しで向かわせようとするのか? あなたは家で娘でも娶りたいのか?」とまたぴしゃり。くそうこのひと面白いな! 彼女が妃として健在であった間斉は栄えたが、彼女の死後間もなく燕よりの総攻撃を食らいました、とのことである。

 魯にある村、漆室にひとりの女性がいた。彼女は昔、晋からやって来た客を泊めたとき、彼の乗っていた馬を繋ぐ紐が切れて、彼女の畑の葵を軒並みだめにされたことがあった。そんな彼女は国主たる穆公が年老い、太子が幼いことを憂えていた。隣人が「女子供の気にすることかね」と笑うと、過去の話を持ち出し、思いがけぬ事が思いがけぬ害に繋がるのだ、と語った。事実数年後に内乱から魯の政情は一気に悪化したという。

 ふたりの賢女を、植物に交えて引き合わせた感じか。繋がりがやや弱い感じもしなくはないけど、湣王のお妃がめっちゃ面白いのでよし!

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