流れる紅い屋根と黒猫
(ФωФ)
これは冷たい夜のこと
丁度雨が降り続け
丁度紅い屋根が土砂で流れた夜のこと
笑う月の下に黒猫が集った
黒い雲が上にある
オスの黒猫はゆう
私の子守歌は、どうでした?
メスの黒猫は返す
よくよく眠れましたわ。
オスの黒猫はそれに又返す
それはそれは声を張り上げた甲斐がありました。
そゆえば、ガキはどうしました?
メスの黒猫はそれにこう返す
ああ、どうやらかえったらしいわ。いやねぇ、子供は気紛れで。
オスの黒猫はこれに驚く
かえってしまったのかい、あのガキ。ああ、なんてガキなんだ。先にかえるなんて。全く親不孝な奴だ。
雨が降り出す
メスの黒猫は言う
いやねぇ。世の中いやあねぇ。
オスの黒猫は繰り返す
そうだな。いやだね、ほんと気紛れだね。
雨は降る
されど海は降らない
これはこれは紅い屋根の上での噺
歪む月と歪む黒猫たちの噺
つづかない( ̄ー ̄)