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悲劇の文芸部

はぁ~。最悪だ。こんなにも恥ずかしい事態があっていいのか。

「話の内容ぐっちゃぐちゃだし、都合よすぎるし、何より痛い。」

はぁぁぁぁぁ。言われたぁぁぁぁぁぁ。

一番言っちゃいけないこと言いましたよこの女は。

「、、、、、別に、ラノベなんてそんなもんだろぉ、、、」

「え?この駄作が?」

だっさぁぁぁぁぁく。言いきりやがった。

割とその一言胸に刺さるからやめてぇぇぇ。

一旦落ち着こうどうしてこうなったんだっけ?



 俺の名前は西川春樹。ラノベ作家を目指すオタク高校生。今日も家から三駅離れたカフェで愛用の中古ノートパソコンを前に作品作りに浸っている。

そんな俺は今、創作に燃えている。それは俺の独自の最高のシナリオが完成したからだ。

よくプロの作家が言う言葉で『実体験を作品にしてみろ。』とある。

もちろん、俺が今、書いてる作品は現在の自分とその妄想の一直線上にある作品だ。俺は今好きな人がいる。その子との告白計画をラノベにするって根端だ。

(そのまま有名高校生作家というオプションをつければ僕の恋も安泰だ。)

「なに、にやついてるの?」

「⁉」

その声で俺のにやつきは焦りへと塗り替わった。

その理由は、二つある。

まず一つは、知り合いを避けるために来たカフェで知り合いにであってしまった事。

そして今、書いてる途中の作品が彼女への妄想の詰め合わせであること。それが見られそうな状態でいること。

「夏風こそ、ここでなにをしてるの?」

「友達待ってんの。はるきはこの近くに住んでるの?」

「いや、知り合いに出会わないようにここに来たんだけどなぁ。」

声を細々としながら答えた。

「なにそれ。そういえばここで何してんの?」

くっ。今、一番聞かれたくない内容の質問がきた。ここはとりあえずその場しのぎで、

「おれも、友達を待っていて、、、」

「いやいや、西川友達いないし、友達と遊ぶのにノートパソコン持ってこないでしょ普通。」

あー。気づかれてるか。どうこの場を乗り切るか。

「なにこれ小説?」

「あぁぁぁだめぇぇぇぇぇぇ」




いやこんなところで、でくわすとか思わないだろ。

あぁ終わった。俺の高校生活、青春、何もかもがお蔵入りだ。

てか、なんで俺はこいつを好きになった?確かにかわいいがこいつよりかわいくて性格の良い女なんてクラスに山ほどいる。そのくせ俺に、嫌というほど干渉してくる。俺が、一番苦手としているタイプじゃないか。

そうだ、俺は恋なんかしてなかった。この作品は空想のものだ。フィクションだ。純度百パーセントの妄想話だ。そうに違いない。

「まさかこれ、『俺の考えた最強ラブコメ』って思って作ったんじゃないでしょうね?」

うっ。それ、作家が言われて、フィクションでもノンフィクションでも傷つくやつじゃねぇか。こいつ、性格クソゴミじゃねえか。はぁ~、疲れてきたかもしれない。早く帰りたい。

「ねぇ、こればらされたくないでしょ。」

「え?いやまあ、うん。そうだね。」

「じゃあさ、文芸部復活させるの手伝ってよ。」

どんな厳しいことも予想したが、それを見事に外す頼み事に春樹は茫然としていた。

「うちさ、高校入ったら文芸部入るって決めてたんだけど、入学した時にはすでに廃部になっていて、復活させようと一年の頃から頑張ったんだけどまだ人手不足だって」

そういえば入学したばっかりの頃部活動説明会で文芸部は廃部になったって騒がれえたことを覚えている。

「でも、俺一人誘わなくても文芸部入りたそうなやつ一定数はいた気がするぞ。」

うちの学校の部活設立もとい存続最低人数は五人。対して夏風を手伝ってっている友達は六人近くいる。俺をわざわざ誘わなくても十分な人数はいるはずだ。

「はるきはさ、知らないでしょ文芸部がつぶれた理由。」

「え?部員が少なかったからとかじゃないの?」

「甘い。あそこのお姉さんが食べてるパフェより甘い。」

夏風は声高らかに隣のテーブルに座っている女性に指さして答えた。

「おい、怒られるぞ。」

彼女は僕のツッコミをスルーしたまま続けた。

「前の文芸部員が問題を起こしたんだよね。」

「問題?」

「そ、私も詳しいことは知らないんだけど何かイベントをしようと思って部長だった先輩がミーティングを始めたみたいなんだけどほとんどの部員が女子会のたまり場みたいに使っていてまともな会議ができなかったという」

「これまたひどい話だな。」

「それでね。それに怒った部長が暴れたってことがあってそれを期に廃部になったの。」

「その話が部活動復活と何の関係が?」

「先生たちが、『本気で文芸に入りたい人が入っていればこんなことにはならなかった。』とか言って活動らしい活動をしたい人が五人集まらないとダメだって。」

なんとなくその考えには納得した。ちゃんとやる子とやらない子の中で起こった問題ならば、先生としてもちゃんとやる子の熱意を尊重してあげたい。だからこそ、中途半端な人間だけで部活を作らせたくない。そして彼女はともかく彼女を手伝っている子たちは、あくまで友達の手伝いをしているだけで文芸部に入りたいわけではない。つまり、部員として認めてもらえないのだ。

「きっと、春樹君だったら小説書くことが活動になるから先生たちにも認められるかなって。」

彼女にしては真剣な眼差しでこっちをみていた。

あんま乗り気じゃなかったけど少しは手貸してみてもいいか。

「わかった。俺の高校生活がかかってるしその提案乗ってやるよ。」


どうも、ゆめあおです。

連載型のほうが楽ということに気づき、

ついでに細かいところがリメイクしたやつです。

この作品は続けて書いていきますのでよかったら見て行ってもらえると自分としても励みになります。

最後にはなりますが読んでくださった皆様ありがとうございました。

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