表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類は2周目に向けて突き進む  作者: 白山 いづみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/25

社長と管理者と天使


 デタラメな位置情報について、超能力をもつ特務機関の存在と、クロウが瞬間移動能力を使えるようになった事を説明する。

 アスワドがゲーミングチェアを揺らしながら、パーソナルディスプレイで何か高速操作しているけれど、何をしてるのか、こわくて聞けない。

 

「なかなかチートな話だね? その御影さんと社長が出会ったら、どうなるか、やばいな」

「お兄ちゃん、そういう風に仕組まないでよね?」


 アイフォが淹れてくれた紅茶の香りに、エイトはほっと息をついた。

 

「それにしても、社長はまだ戻らないんですか? 俺がここを出てから、結構経ったと思うんですけど」

「ああ、当初の確認事項はクリアした。連邦政府の目論見も見えたから、擦り合わせをしてるんじゃないかな。まじで彗星が避けてくれる事があるなら、各計画の宇宙船が軌道上に無いようにしないといけないだろう」


 作業を終わらせてパーソナルディスプレイを閉じたアスワドが、アイフォの白衣をつんと引く。

「アイ、僕にはソイミルクを頂戴」

「はいはい」

 ミルクを温めに立つ天使を見送る。


 黒猫は目を擦って、あらためてクロウに向き直った。

 クロウも手元で触っていたパーソナルディスプレイを閉じる。


「彗星の位置情報はオープンだな。一体今までの破砕活動ってのは、何をしたんだ? 物理的な対策を打つには遠くないか?」

 いきなりクロウの疑問がとぶ。

 パブリックディスプレイを展開して、破砕方法が省略された箇所を目敏く見つけたのを示す。

 選択肢のひとつに、4:あくまで彗星の破壊に死力を尽くす、というのがあったけれど、そこにも具体的な攻撃方法の記載は無いようだ。


「地球連邦政府の発足と同時に全世界が合意した戦力破棄の規約を、いち企業が破っちゃ駄目だろ? 破砕活動は、あくまで建造物破砕の規定に則っている。レーザーと量子音波の計画照射だよ。僕達は世界のルールに従ってる。納得した? 国家公務員さん」

「俺が荒探しするとでも思ってんのか、黒猫」

「普通の事を言ったまで。捉え方は自由さ」


 腕を組んだクロウをじっと眺めながら、アスワドはアイフォがもってきたミルクを舐める。


「G社が提供するのは、実際は冬眠ステーションと仮想現実ネットワーク、それと外宇宙探索に特化した複合型ステーションだ。破砕活動については、政府規約に抵触する事は出来ない。所詮はいち企業だからね。大企業ってのは監査も厳しいんだ。堂々と商売する秘訣は、法律の順守だよ」


 アスワドがにこやかに語る背後で、部屋の奥の扉がシュ、と開いた。

 

 「よし、あと1年だし、法律なんてそろそろ無視しようぜ!」


 少し前にLiveネットニュースに真顔で出現した男。

 アイフォの父として出現し、オートカーをマニュアルでぶっ飛ばした男。

 世界のインフラであるGrand-systemの現役創業者。

 素性不明の世界的企業の社長―――。

 あと、なんだ。

 いろいろ二つ名がある。

 そういう男が、滅茶苦茶満面の笑みで、破壊力充分な一言を放った。



「……」

「何だよアスワド。社会情勢の変化についていかないと、モテないぞ? 大体、破砕活動を本気で続けるなら必要だし」

 

 どこにでもいそうな若い会社員の顔が、きょとんとした顔で黙った黒猫と天使をみる。


「……父さん。俺、父さんのGrand-systemアカウント、強制停止していい?」

「え?! ちょ、やめて??!」


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ