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15話 似非新聞と暗殺者

ジェニス

「滝に落とされて気を失っていたようだな」


目覚めるとそこには僧侶がいた


僧侶

「さて、火葬でもするか」


ジェニス

「死んでねぇよ」


僧侶に話を聞いた


僧侶

「殿様が死んだ?あぁ毒を盛られたらしいな」


ジェニス

「毒?おかしいな 殺されたはずだが…」


僧侶

「殺された?あぁ、似非新聞を聞いたのだろう」


似非新聞とは、この時代にある新聞だ

真実率が低いが、ゴシップ好きが買っているらしい


僧侶

「また、倍率もそれだけ高くなるって事だ

そこに真実を突き止めて丸儲けする奴らがいるのさ」


ジェニス

「まあ、こいつは真実なんだけどな…殿様殺されたっていうのは…」


僧侶

「真実と思った奴が侍として志願していたっけな」


助けた僧侶に礼を言って

これからどこに行くか迷う


ジェニス

「何故、あの時暗殺者はそのまま死んだのだ?」


暗殺者がいた所をもう一度行った


ジェニス

「ここであいつは死んだ

何の為に?」


本当に死んだのだろうか


ジェニス

「生きているのか?もう一度後を辿ろう」


ジェニスは光の翼を起動して

落とされたであろう滝を見渡す

すると滝の裏に道があった




滝の裏では

死んだと思っていた暗殺者が待ち構えていた


ジェニス

「お前は一体?」


暗殺者

「まああれだけやってれば、他は追ってこないだろ?って感じでな

おいらは暗殺者の頭領だ」


ジェニス

「で、暗殺者の頭領は何用だ?何か要件があるとお見受けする」


頭領

「まあな

似非新聞では、殺されたとあるな?」


ジェニス

「それが真実だろう

我と暗殺者が共に見ているからな」


ジェニス

「お前達の目的は?」


頭領

「目的なんて無いさ

今まで似非新聞の中の真実で丸儲けして飯を食ってきたのがおいら達さ


そんなおいらも安泰が欲しい だから国を乗っ取りたい

力を貸してくれ」


ジェニス

「貸すとでも?」


頭領

「お前は殿様が軽く人を殺しているのを見てどう思った?」


ジェニス

「まあ引いたな」


頭領

「じゃあお前にはこれが利くよな?」


そう言って

他の暗殺者に人質を持たせていた

殿様を殺してくれと依頼した人間だ





頭領

「殿様を殺すのが、人の為だったとは聞いて驚いた

まだそんな古臭い考え持ってた奴いたのかってな」


ジェニス

「お前らは違うのか」


頭領

「違うな

ひもじい思いしてきた連中がおいら達さ

だから自分達で飯の食い扶持を探して渡り歩いてた」


暗殺者は皆、貧しい村で暮らしていたというありふれた過去を持っていた

そして今に至るという


頭領

「最後の道がこの安泰への一歩だ」


ジェニスはそれを了承した

どのみち、肯定しなければ人質は救われないからだ


頭領

「交渉成立だな こいつを使え」


ジェニス

「これは?」


頭領

「まきびしだ

天下統一の時代 先端恐怖症が思いのほか多いさ


おいら達、戦場では戦わずにいたんだ

敵味方の陣営においら達の仲間同士存在していて

敵味方で戦う時はいつも同じ面子で戦って戦ってるフリをしてきたのさ」


頭領

「だから分かるんだよ

矛先にばかり目がいってる奴らが圧倒的に多い

奴らは戦場で死ぬことを恐れていた


貧しいおいら達以外も同じ考えなのさ」


頭領

「先端恐怖症にはまきびしが痛覚への妄想刺激と成り得る

それが奴らを怖がらせる道具だ」


微かに呪刑の存在を感じる


ジェニス

「まきびしに何か効果が他にもあるのか?」


頭領

「よく分かったな ただ、まきびし以外に効果は無い」


頭領はもう一つを渡した


頭領

「まきびしを拾う為の鉤縄だ こいつに効果がある」


まきびしを拾ってみろといってまきびしを落とす

落とされたまきびしを鉤縄を投げてみると、鉤が広がる


頭領

「まきびしの砂鉄に反応しているようでな

近くに投げれば広範囲になった鉤が拾ってくれるという寸法さ」




ジェニス

「無償で貸してくれるのか?」


頭領

「その伏線に人質を使うのさ

解毒薬は俺が持っている」


人質からは少し血が吐き出されていた


頭領

「致死量の毒では無い

毒の盛りを時間が経つたびに増やしていく」


ジェニスは早めにこれを解決しようと決めた


頭領

「交渉成立だな じゃあ行くぞ」


殿様がいた所に戻る


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