表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2人の文芸部  作者: 赤坂剣
1/10

page1:霞ヶ丘文芸部の中

 

「森久保先輩。今日の活動はなんでしょうか」


 4月20日。桜が散る日の今日も僕たちはここ、霞ヶ丘高校の文芸部で活動をしている。

 ちなみに文芸部といっても2人しかおらず休部してもおかしくない部活だ。

 部長としてやっている2年の僕、森久保政敬もりくぼまさたかと、1年の安藤由奈あんどうゆなさんの2人しかいないのだ。

 顧問の先生さえ1週間に1度くる程度なので基本いつも二人だけの活動になっている。

 そして今、安藤さんが僕に質問を問いかけているのであった。


「非常に言いにくいのですが、今日も何も決めていないんですよね」


 元部長が不登校になってしまったことにより必然的に僕が部長になってしまったのだ。

 元部長は根暗な性格で部活内ではほとんど話さなかったのでよくは知らない。

 だが僕が1年の2月頃急に不登校になったらしく原因はクラス内でのいじめだと聞いたのだが、僕は少しだけ同情はしたもののどのようなものだったのかは知らないので、気にしないことにしていた。

 だから、部長とはいえ活動の内容を決めたことがないため活動内容はないんだ。


「それでは、私は読書をしていますので、先輩も読書でもしていてください」


 彼女、安藤さんは真面目で気の強い性格なのであたりが少し強い。


「はい…。あ、なんで安藤さんってわざわざこの部活に入ってまで読書するんですか?」


 僕は彼女が入部してから何日か部活を一緒にしたが、いつも読書をしている。

 自分も読書はするのだが、あいにく文芸部では本を読まず小説を書いている。

 理由は小説を書くときは静かなところで邪魔されずやりたいからだ。

 家では親がうるさいのでできないというのもあり、部活の時間と親が寝た時間に小説を書いたりする。


「特に理由はないですが、静かなところで読みたいので」


 どうやら、彼女と僕は少し似たような考え方があるのだと思い、これからあと1年この部活をやるうえで、何か少し変わった1年になるのだろうかと、僕はこの時思う。

 そして、少し彼女のことを知りたいと思っていた。


「そうなんだ。僕も本を読むなら静かなところだと思うからわかるよ」


 その後、下校まで特に何も話さず、明日また少し話そうと森久保は思っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ