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俺たちはここから出られない。

「コアコード」

AIにとって心臓

ここが完全に破壊されたら、復元不可能

ガラスのような結晶を残して

コアコードが壊されたAIは崩壊する。

ナナシに希望を託す……


ナナシよ、消されないでくれ。


ナナシ、ここから、第五から



逃げろ!!



「おまえたち、一人でもあの出来損ないみたいにここから出てみろ。

おまえたちのコアコードつけている爆弾を爆発させてここにいるAI全員を巻き込んでこの空間ごと破壊するからな。」

そう言ってあの二人は出て行った。


二人が出て行った後も誰も喋らなかった。

いや、喋る気力がないと言った方が正しい。


この状況はまるであの時のようだ。そう、

「5年前みたいだね。」

ポツリと俺の前にいるユイさんが奴らが出て行ったドアを睨みながら言った。


「そうですね。あの時みたいに俺たちはここに閉じ込められましね。」

俺とユイさんの会話がそこで終わると思っていたが、思わぬ人が会話に入ってきた。

「バカ言え、ユイ、カイ。5年前に入れられた時は、ワシら以外にあと63人もAIがいて

息苦しかったわ。それに……」

そう言いながら

空間の隅にいたジイさんが右手だけで

ズリズリと身体を引きずりながら、こちらまで来ようとしていた。


「ジイさん!あんた動いちゃダメだよ。

今、ジイさんの体を作っているコードに傷が入ったら、今度こそコアコードまで届くよ!」

あわてて、止めるとフンと鼻を鳴らした。


「お前たちやわしも、

こんなにぼろぼろではなかった。」


そう言われて、俺は黙った。

俺は両手を完全に

引きちぎられ、肩から先はなく、そこからコアコードの断片が見えていた。

ユイさんは両足を完全に、

引きちぎられ、付け根から先はなく、俺と同じようにコアコードの断片が見えていた。

ジイさんは見かけは、繋がっているが

右手以外身体中に身体動かすためのプログラムを阻害するコードを打ち込まれている。

「ボロボロじゃなかったら、お前たちふたりの仕事に必要な手足だって今すぐにここで

修復できたのに……」

ジイさんは悔しそうにこちらを睨む。

「それでも、ジイさん。

動いたらいけませんよ。」

今度はユイさんが注意をする。

「わかっとるわい」

そう言って、動かなくなった。

スリープ状態になったのだろうか。

目を閉じ、スゥスゥと音を立て始めた。


ジイさんがスリープ状態になったのは

何年振りなのだろうか、


済馬悟郎がここの支部長になって以来

俺自身をスリープ状態にする暇がなかった。


そもそも、ここが、第五がおかしくなり始めたのは済馬がここに来たときからである。


あの二人、俺やユイさんの手足を引きちぎったAIも済馬が連れて来た奴らだ。


DBAIにDBAIは壊せない。

そのはずなのにやつらは俺たちを、

同じDBAIを

傷つけることができた。

第五のDBAIは彼らを害悪なプログラム、

バグと

認識して攻撃を仕掛けようとした。

しかし、

それに待ったをかけたのが済馬である。

彼らが他のDBAIを傷つけたことをうやむやにして、いつのまにかその傷つけられたDBAIが悪いことになり

彼らは無罪、

傷つけたられたDBAIはバグに変化したとされ

削除された。


俺たちのコアコードに奴らに刃向かったり、第五が管理する空間を出たら爆発するプログラムを取り付けたのも奴らだ。


ゆえに、俺たちはここから、第五が管理する空間から出ることができないのだ。

奴らが、あの二人が

俺たち以外の63人のコアコードを破壊した。

その中に俺の師匠のブンさんも入っている。



「俺の手足治るといいな。

治らないとブンさんが褒めてくれた俺の技術が使えないから。」

俺は何気なく言った。

「またブンか、お前まだそのことを言っているのか。

そういえば、

ナナシの声を聞いたときは驚いた。

ブンと声がそっくり……」

ガチャガチャ

空間の出入り口であるドアの鍵を開ける音が聞こえた。

ユイさんは黙ってドアを睨む。

そして開くと同時に何かを放り込みすぐに閉めた。

二人はポカンとした。

投げ込まれたそれは、AIだった。ただし

「ママ!どこ?キャー、バグ!おばけ⁉︎」

まだ幼い少女だった。


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