ナナシ、呟きを確認する。
ナナシ側です。
「ふー、やっと振り切れた。
アイツらしつこいなー」
物陰に隠れて今の状況を確認した。
プログラマーの追跡から逃れ
落ち着いて今の状況を確認した。
今俺がいるのは、他のサーバーとサーバーを中継ぎするように作られた空間。
ここなら、あれを確認することができるかもしれない。ナナシは一見すると何も入って無いようなファイルを取り出した。
「やっぱり、リョウとミュウは俺のこと捨てたりしてなかった。」
思わず、顔に笑みを浮かべる。
それは改造してリョウとミュウ、二人のSNSを見れるようにしたものだった。
ふたりの最新のつぶやきにそれはあった。
"今からいくから七。 "
知らない人から見たら、七の部分は打ち間違えたように見えるだろうけど、
この(な)は俺に何か伝えたいときにいつも
使われていた。今回はこっちにくることを
伝えたいのだろう。
これが呟かれたのは10分前だ。
となると、もう二人はこっちに来てる筈だ。
近くでバタバタと、足音が聞こえる。
足音があるということは人間だろう。
DBAIだったら、足音を立てないようになっているから。
しかしなんで一人も、DBAIがいない。
俺を追いかけるなら他のDBAIが追いかけた方が効率よくやれるはずなのに。おかしいな
まあ、逃げやすくなるからいいか。
そろそろ別のサーバに移ろうとしたとき
左腕が痛み出し、うごかせなくなった。
「またか、やっぱあれが原因なのかな。」
4日前、俺に削除命令が下される原因になったあの喧嘩は2対1で明らか、俺が不利な喧嘩だったのにあの人間の上司、
済馬 悟郎 第五支部長は
あいつらに拘束用のプログラムを打たず俺に打ってきたのだ。
閉じ込められいる間も打たれた左腕が痛み、自分で回復できないようにご丁寧にも左腕のプログラムがAIに読めない物に変化していた。今更ながら思うがあれは本当に拘束用のプログラムだったのか。
うごかせない時いつも左腕に何か異物が入っているような感覚がある。
左腕に違和感があるのはあの時に打たれた
拘束用プログラムが原因かもしれない。
「いたか!」
「いえ!見つかりません!」
「まったく、24人もいるのになぜ見つからない!探せ!まだ近くにいるはずだ。」
まあ今は考えないようにしよう。
リョウとミュウに会えたら、左腕をまた治してもらおう。
今度は見つからないようにこそこそと隠れながら別のサーバーに向かった。
更新は不定期です。