ナナシ、逃げ出す。
前の短編で登場していたDBAIが主役です。
大事だから二度と書きました。
「お前はしてはいけないことの区別がつかないのか!」
そう、俺に向かって画面越しに顔を真っ赤にしながら怒っているのは俺の人間の上司だ。
俺はナナシ、AIだ。
ま、俺とおなじような役割をする奴らのことを削除プログラム、消しゴム、と色々言われるが正式名称では、DBAIだ。
俺が怒られている理由は、バグの消し方と他のDBAIを傷つけたことらしい。
「空間そのものを消して、バグを消そうとするやり方は空間に負荷がかかりやすいと
何度言ったらわかるんだ!それにお前は……
お前の仲間である
DBAIも消そうとしただろ!」
仲間のDBAI?
あんなヤツら仲間じゃない。
「その方が一掃できて効率がいいからです。
現に一気に10体のバグを削除することができたでしょう。
それにあなたが俺の仲間だと言っている他のDBAIは俺の仕事の邪魔ばかりしてきました。それに俺は消そうしていません。すこし、黙らせようとしただけです。」
ほんと、アイツらは俺の仕事邪魔ばかりしてた。本当は三人一組で行動しないといけないのに俺と組んでいた二人はわざとあのよく知らない空間に置き去りにした。
それにアイツらはリョウとミュウを自分たちより劣っていると言い馬鹿にした。
それで、もうアイツらに色々とされて溜まっていた鬱憤が爆発した。それでやったことなのだ。
結果としてはバグを10体削除できたのでよかったと思う。でも、それだとダメらしい。
「お前を処分するのは一週間後、それまでここから出るなよ。」
そう言って、通信を切った。
通信を切られた俺は真っ暗な空間に閉じ込められた。なんだかリョウとミュウにあいたくなってどうやってここから出るか考えた。要は俺が出たことがわからなければこっちのものだ。
すぐに隠し持っていた改造プログラムを自分に貼り付けて、ここからこの空間コードを解体するのに取り掛かった。
不定期に更新予定ですが、
本日16時に二話目投稿します。