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2話


散々騒いで落ち着いたところでとりあえずこれからどうするかを考える。


その1、ストーリーに則ってこのまま森に住み、勇者御一行に退治される。


その2、とりあえず安住の地を探しに旅に出る。


その3、勇者御一行にやられないように自分を鍛えて返り討ちにする。


その4、勇者御一行と共に魔王を倒す。


...こんなところかな。

まずその1はもちろん却下。

いくら300年後だからといってストーリー通りにやられることはない!

とするとその2とその3かな。

その4を選ぶとなると『あの』勇者御一行と旅をしなくちゃいけない。...う゛ーん。とりあえず保留。

自分を鍛えつつ、安住の地を探しに旅に出るってのが1番良さそう。

...自分を鍛えるのはもしも勇者御一行に見つかった時に対抗手段がないと困るから。


実をいうと魔王城へ行くために必要なものというのは私のローブにつけているブローチの魔石だったりする。

このブローチは代々国一番の魔法使いに受け継がれているもの。


普通の魔石は内包出来る魔力量が決まっていて、定量以上の魔力を込めようとすると砕けてしまう。しかし代々受け継がれているこの魔石はとても希少な魔石で、魔力をほぼ無限に吸収し続けることが出来る。歴代の魔法使い達の魔力が内包されているこの魔石は、世界一の魔力量を誇っている魔石と言っても過言ではない。


そんな魔石が何故必要かというと、魔王城の周辺は大規模な幻惑魔法がかかっており、その魔法を打ち消す時にこの魔石を使う。

方法はいたってシンプル。

ただそこで魔石を壊すだけ。


魔石を壊すことによって内包されてる魔力が爆発する。その爆発した魔力が幻惑魔法に干渉し、魔法が維持出来なくなり打ち消されるのだ。


それなら普通に魔法で干渉すれば消せるのでは?と思われがちだが、幻惑魔法の規模が大きすぎて二~三人程度ではとてもでは無いが打ち消すことが出来ない。

優秀な魔法使いが五十人ほどいて消せるかどうかというほど大規模な魔法なのだ。



それに私が書いた小説でそんな大人数でぞろぞろ行くなんてありえない!

やっぱりこういうのは少数精鋭で行くのがRPGの形式美だよね。

まあ、現実的に言えばそんな大人数だと食べ物の問題に始まり、場所もとるしとんでもなくお金がかかる。

敵にも見つかりやすくなるから大人数はおすすめ出来ないが、方法はなくはないのだ。


なら、魔石を使わずに行く方法はないのか聞かれるとその方法もなくはない。


結界を張れば幻惑魔法にはかからない。

だが、幻惑魔法のせいで魔王城周辺は濃い霧のようなもので覆われている。それを払うにはただ風魔法を使うだけではとても足りない。霧の中に入り込んだが最後、その中では結界を張っていても視界が悪いため、方向感覚が掴めなくなり方位磁石も幻惑魔法の影響で使えない。


したがって結界で魔王城へ到達するには、大規模な結界を展開させ、魔王城までの道を確保するというかなりの力技になってしまう。


そんなことが出来るのは今この世界にはおそらく私一人だけだろう。

勇者御一行は将来私を倒せるほどに強くなるが、それは魔法使いとして強いという訳では無い。様々な魔法や技を使い、それらを総合して私より強くなるというものだから、彼らは私が言うような方法を使うことは出来ないのだ。



とまあ、このブローチが必要な理由の設定はこんな感じ。

なら捨てればいいじゃないかとも思われるだろうけどこれがまた難しい。

このブローチ、無くしても手放そうとしても持ち主の元へと帰ってくるのだ。

...呪いのブローチかっ!


まあ手放す手段はあるにはあるが、私よりも強い魔法使いじゃないと駄目だったりする。代々国一番の魔法使い受け継がれてきたというのはこれが理由なのだ。

自分より強い魔法使いじゃないとブローチが受け入れない。

そうなると今の時代私より強い魔法使いがいないから結局手放せない。

勇者御一行に出会う時も私が一番強いからブローチを手に入れるためには彼らは私に協力を仰ぐ、もしくは私を倒してブローチを奪うという選択肢しかなかった。

そして小説では大魔女は彼らに復讐をしようとした。結果、大魔女に協力を仰ぐことは出来ず、倒すしかなかったのだ。


...とはいえ捨てても埋めても金庫にしまっても海に沈めても人に渡しても戻ってくるこんな怖いブローチ、希少な魔石使っているからといって欲しくなかった(泣)。



とりあえず、方針は大体決まった。

ブローチを手放すのは原作補正で私以上強い魔法使いは出てこないだろうから諦めるけど、安住の地を求める旅をしつつ自分を鍛えよう!


さあ、しゅっぱーつ!






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