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私と奈津美  作者: れもんじゅーす
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出会い

短いです。

読んでくださり有難うございます。

 1年前 東京。 まだ何も知らない私。



 ずっと暮らしていた福岡から父の仕事の都合で東京に引っ越してきた私。


 最初の頃は環境が違うことに戸惑っていたが次第に慣れていった。



 一番苦労したのは方言だった。

 九州では当たり前のように使っていたが此処ではそうはいかない。

 学校での自己紹介は普通に特に特徴もないものだった。私はどちらかというと大人しく人見知りだったのであまり自分から積極的に友達の輪に入れなかった。私は眺めているだけ。

 この世には内側の人間と外側の人間がいて私は外側の人間。

 転校生だからといって誰でも友達になれるわけではない。それは一部の人間だ。



 でも、それは、杞憂だった。隣の席の相原奈津美が話しかけてくれたのだ。奈津美はとても明るく話しやすく、あーよかった。そう思った。


 思っていたら、黒板の方にいた女子たちが可愛い服を見せ合っていた。すると「私たちもいこう!」と奈津美が言ってきたので私はチャンスと思いいった。

「あー可愛い!」

 近くで見たら本当に可愛くてつい


「その服、あいらしか(可愛い)!」と言ってしまった。


 すると周りにいた女子達がえ、なにいってんのこいつ?という顔でこちらを見てきた。


「なんかばばーみたい!」


「何?古臭くない。ほんと田舎もんだから」


 と誰かがいいあたりが静まった。みんな笑っていた。目線が冷たく感じる。失敗しちゃった。そう思った時には遅くみんな私から遠ざかるように移動していた。本当に女子は集団行動が好きだなとふと思った。私には無縁のことだ。


 私は悲しくてたまらなくなった。頑張ったのにできなかった。勇気を出して頑張ったのに。ただ出すだけではダメなのかな。


 でも奈津美はうごかなかった。奈津美だけは、違った。

 逆に


「それ福岡弁?面白い!もっと教えて!なんか面白そう」


 と全然ババくさく思っていない笑顔でそういった。


 よかった。奈津美がいなくなったら友達がいなくなる。その他にもサッカー部員の戸部くんという男子が話しかけてきて仲良くなった。戸部くんは顔はイケメンだというが残念イケメンだと思う。顔以外が残念なのだ。


 それ以来3人で遊ぶことが多くなった。遊ぶ時はいつも奈津美が誘って男女関係なくあそんだ。

 あの時は、毎日が楽しくてたまらなかった。奈津美の家に行ってお泊まり会もした。夜遅く まで遊んだ。恋バナは私は持ち合わせていなかったけど奈津美の話を聞くだけでも楽しかった。「友達」という感じがした。


 でもだんだんと奈津美と遊ばなくなり、すれ違っても話しかけたりしなくなった。

 それは多分クラス替えだったと思う。








  ー2年のクラス替えー

 私と戸部くんは同じクラスになり奈津美は違うクラスになった。奈津美はそのクラスに友達がいたのかすぐに馴染んでいった。そのせいかもしれない。

 私は奈津美とまた友達になりたい。そう思い奈津美が教室を出るのを見た瞬間、


「奈津美!」


 私がそう奈津美に言ったのと同時に奈津美の後ろにいた女子が話しかけたのが同時だった。

 奈津美は一瞬戸惑ったようにしていたが結局女子の方を選んだ。


 その時私は、改めて遠い存在になってしまったのだと感じた。

 クラス替えだけでこんなにも変わってしまうのか…


 しかし戸部くんは相変わらず喋ってくる。

 奈津美とまた話したかった。でもそれは、叶わなかった…
















 1年後3年生


 あれ以来私と戸部くんとの仲はあり休み時間の時でも喋ったりしている。


 私自身これには、内心驚いていたがそれほどあの時のことで、打ち解けたんだと思う。


 同じクラスにまたなったことがきっかけになり、 奈津美ともまだ多少打ち解けていない部分があったが一緒に話せるようにはなっていた。

 また1年生の時のように公園で拾ったあの花を拾いたい。

 そう思うことは出来るが、なかなか実行に移せない。戸部くんは早くやれよというが、まだ気持ちの整理がついていない。


 もうあれから1年経つ。もうそろそろ行動に移さないと、と思う自分がいた。


「早く起きなさい!」


 お母さんの声が聞こえる。その声で意識が戻る。カーテンから差し込む陽が部屋全体を明るくする。

 時計を見るともう8時を過ぎていた。

 やばい、早くしないと遅刻しちゃう!


「はーい。今行く!」


 私は階段を降り朝食を食べに行く。今日も和食ベースだった。ホカホカのご飯をお椀を箸でかき集める。

 牛乳を一気飲みし家を出た。


 途端に太陽の陽が肌に照りつける。女の敵だ。もう10月だというのにまだ暑さはまだ衰えない。風が強くふきつける。通学路を走るようにして歩く。すると後ろからいきなり声をかけられた。


「おはよう!」


 ずっと耳に馴染んでいた声だからすぐわかる。戸部くんだ。

 今では、サッカー部のエースで顔もイケメンでラブレターをいくつも貰っているようだ。私にはどこがいいのかさっぱりわからない。

 いつもだと私はもう学校に着いてて戸部くんが後から来るのだが、今日は遅く家を出たので会ってしまった。


 遅刻は嫌なので走るようにして歩いた。戸部くんも分かったのか私の歩調に合わせていた。

 やっと校門まで来た。廊下に行くと国語の教科書を貸してもらいに行っていた人や、机をくっつけて雑誌を読んでいる女子もいた。


 奈津美も来ていたので、一緒に喋った。


次話完結です。

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