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プロローグNo.6 【 小説家になろうで小説家を目指してみた 】

「エリュシオンノベルコンテスト! グランプリ作品には、賞金100万円だと?!」 

 山崎大都やまざきだいとのやかましい叫び声に、大神天音おおがみあまねは、迷惑そうに耳を塞いだ。

 自分たち以外、誰も居ない視聴覚室。その片隅にあるパソコンで、二人はとあるサイトを見ている。

 モニターには、『日本最大級のノベルコンテスト、エリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)』と表示されていた。

「おい、天音! 一体何なんだ、このサイトは?! どうやったら100万円を手に入れることができるんだ! 教えろったら教えろ、さあ教えろ、すぐに教えろ、今すぐ教えろ」

 天音の襟首を掴み、わっさわっさと揺さぶる大都。 

 天音はめんどくさそうな表情で、大都の手を無造作に振りほどいた。

「天音さん、でしょ。全く、年上に対する言葉使いがなってないわね」

「さっさと教えてくれよ、あ・ま・ね・さ・ん」

 ピキッと額に怒りマークを表示しながら、天音はメガネをくいっとあげる。

「このサイトは、小説家を目指す数多くの人から作品を募集し、その中から優れた人材・作品を発掘する、言わば登竜門みたいなところよ」

「小説家? 登竜門?」

「電撃大賞、スニーカー大賞、ファンタジア大賞など、私のようなライトノベル作家を目指している人間向けのもあれば、直木賞、芥川賞などの、いわゆる文学と呼ばれる小説向けの大賞もあるわね」

「作家? 文学?」

 天音の説明を理解していない大都は、「?」を浮かべている。

「この『エリュシオンノベルコンテスト』の最大の特徴及び利点は、日本最大級の小説投稿サイトである『小説家になろう』と連動していること。なにせ、『小説家になろう』に小説を投稿して、キーワードに『なろうコン大賞』と入力するだけで、応募ができるのよ。しかも、あらすじさえあれば、これから書こうとしている作品でも書きかけでも賞に選ばれる可能性があるって言うんだから驚きよね」

「あ、あの~、天音さん。さっきから言っている意味がこれっぽっちも理解できないんですが……」

 おどおどと手をあげて質問する大都に、天音は額を抑えて天を仰ぐ。

 おもむろに大都の耳を掴み、天音は大声で叫んだ。

「ようするに、あんたはこれから小説家を目指して、100万円をゲットするのよ!」

「ええええええええ?!」

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