第三十五話
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ご無沙汰のご挨拶と海雲台行きのご報告
こんばんは。
お年賀以来、すっかりご無沙汰いたしております。
お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
このたび、主人の定年退職の節目に、
久しぶりに海雲台を訪ねることになりました。
思えば、貴方様と初めてお目にかかったのも、
あの土地でございましたね。
慣れない土地での生活の中、
あわただしくも、どこか穏やかな日々で、
今振り返ると、不思議と懐かしさばかりが思い出されます。
楽しい時間を共に過ごさせていただいたこと、
今もありがたく心に残っております。
今回は、娘の果歩も同行し、
あの頃と同じ三人で、
思い出の場所をゆっくり巡るつもりでおります。
久しぶりに海を前にしたとき、
きっと、いろいろなことを思い出すのでしょうね。
まずはご報告かたがた、ご挨拶申し上げます。
寒暖差のある時節でございますので、
どうぞご自愛くださいませ。
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Re: ご無沙汰のご挨拶と海雲台行きのご報告
ご丁寧なお便りを頂戴し、ありがとうございます。
お元気にお過ごしとのこと、何よりでございます。
あの頃のことを思い返しますと、
慣れない土地で戸惑うことばかりだった私どもに、
折に触れてお声を掛けてくださり、
何かと気に掛けていただいたことが、
今もはっきりと思い出されます。
おかげさまで、生活の習慣や土地のことも少しずつ分かり、
安心して日々を送ることができましたこと、
改めて感謝申し上げます。
私も、ときどき当時の写真を見返すことがございます。
聞くところによりますと、
海雲台の様子も随分と変わったそうですね。
百階建ての住宅があるなどと伺い、
時の流れの早さを感じております。
そういえば、海雲台と申しますと、
愚息も、いつになるかは分かりませんが、
訪れると申しておりました。
どうぞ道中お気をつけて、
懐かしい海雲台でのひとときをお楽しみくださいませ。
果歩さんにも、どうぞよろしくお伝えください。
それでは、失礼いたします。
松田




