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第二十六話
「もしもし、母さん?」
『ああ、果歩? どうしたの』
「ツアーのチケットとパスポート、もう届いたよ。
出発日の朝、混雑してる時間に動くの、正直ちょっと嫌でさ。
前日の夜にそっちへ行こうと思うんだけど、いい?」
『前日の夜? 泊まっていくってこと?』
「うん。そのほうがラッシュも少ないし、
最悪タクシー使うことになっても、三人一緒のほうが安心でしょ」
『まあ……それはそうだけど。
あんた、一人で夜遅く動くのは大丈夫なの?』
「もう子どもじゃないって。
時間もそんなに遅くならないし、着いたらすぐ連絡するよ」
『……そう。そこまで考えてるなら、いいわ。
チケットとパスポート、忘れないようにしなさいよ』
「大丈夫、大丈夫。ちゃんとまとめてある」
『じゃあ、来週ね。
無理しないで、気をつけて来なさい』
「うん。じゃあ来週、よろしくお願いします」




