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「あいつッ!」
「お頭を首にしたヤツ!」
「俺たちをこんなにした!」
戦闘用の城だけあって、練兵場はギルドのそれより大きい。会心の一撃を喰らわせた奴が、端まで届くかどうかの広さだ。
殺した方が世のためになる悪党には引導を渡してある。ここに集められたのは、それすらにも届かなかった雑魚だ。
「黙れ」
その時の恐怖を思い出せたようで何よりだ。上書きして、塗り込めて、カッチカチにしてやる。
「お前らがなるのは、黒の森に通用する死兵だ。そもそもお前らは死ぬ。それだけは決定している。いいか、死に方を選べ。小便を漏らしてか、クソに塗れてか、選択しろ」
この世界の囚人兵に退役はない。いろんな死のどれかになるしかない。
「嫌か? お前だけは死にたくないか? だが、もう遅い」
生唾を嘔吐する者がいる。奇天烈に倒れる者がいる。嗚咽している者がいる。
「――いますぐ楽になりたい奴は挙手しろ。遠慮するな」
まあ、そうだろうな。だからお前らはここにいる。
「お前らは既にして畜生だ。家畜以下のクソだ。粗末にしていい命しか持っていないッ」
火をつけて踊らせないと、こいつらは死ぬ。
「この言葉を魂に刻み込め、復唱ッ!〝BORN TO KILL!!〟」
「BORN TO KILL!!」
「BORN TO KILL!!」
「BORN TO KILL!!」
ほほえみデブのようなヤツが生まれないことを祈り、始まりを終える。まあ、いたらいたで返り討ちだ。戦争の顔をしろ!




