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「勝った奴のツラには見えないねえ」
「はは……」
「でもまあ、体の半分が根性で出来てるだけのことはあった。お前に喧嘩太郎の称号をやろう」
嬉しそうじゃないな。いつかセルジュと戦わせてみよう。
「――話は戻るけど、うちの戦闘団の名前、何か思いついた?」
「まだやってるんですかそれ。頭に〝ザ〟でもつけとけばいい――」
「ようし第二ラウンドだ。チャンピオンと戦わせてやる」
「勘弁して下さいよ。……あ、それならいいのが一つありますよ」
「何かなー」
「爆裂紅蓮団。――姐さん、アイツの跡目、継いでやって貰えませんか?」
「……そうきたか。いや、でもなあ」
「やっぱり嫌、で?」
「そうじゃない。違う」
少し真面目な話をしようか。
「私は何れ旅の続きをする。いつまでもは居ないんだ。お前らを一人前に、器量で飯が食えるようにして、そしたら出る。あれは家だ。私の、そしてお前らの」
「姐さん」
「帰って来るなと言われたらそうするし、それは仕方がない――」
「そんな訳ッ……!」
「でもな、このラウラ・フィオレンティーナには夢がある。それは必ず叶えなければならないものだ。その為になら、裏切り者の名を受けて、すべてを捨ててもいいと思っている」
「……ッ」
湿っぽくなってしまった。まずは帰ろう。泣くなよ。




