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「ここを本拠地とする」
一度言ってみたかった台詞が言えた! 戦果は惨敗だが、結果には満足だ。おまけのデカブツも拾い物だった。
「いいかお前ら、ここからが本当の戦いだ。昨日みたいなヌルい奴らじゃない、ガチの悪党をブッ殺して、挽き肉にするのがお前らの本分だ」
一拍、置いて続ける。
「殲滅だ。一人残らずだ。この地に秩序と――」
そしてデカい声だ。
「我ら戦闘団がここにありとッ、全世界に叫べ!」
こいつらは基本アホだから、その代表である私がここで雄叫びを上げれば、訳も解らずに猛り狂うだろう。
――豈図らんや。やめろ。そうじゃない、そんなのは期待してない。
滂沱みたいなヤツを垂れ流す奴らに、注視される。何という拷問だろうか。
「あ――」
「黙れ。黙れええッ! 私にそんな目を向けるな! 私に感謝するな!」
あの時、あの場所で、もしかしたら鏖殺していたかも知れない。だから、そんな謂れはないのだ。この――




