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「作戦を確認する。一、私が正面から突入して騒ぎを起こす。二、お前らは一〇〇数えたら裏から侵入する」

 三人一組で梯子を担いだ十八人に最早、迷いはない。この三日、それしか聞かされていないからだ。細かい指示はない。必要ないから、ではなくあまり意味がないからだ。


 これから起こることは、これまでに積んだものが、ここから始まるための、やり直しの利かない本番、天王山というやつだ。


 だから私は、いま出来る精一杯をする。両手に掴んだ門番をぶち投げて、発するは身体強化に依る大音声。


『火事だッ!!』


 卑怯というなかれ。人をそこから叩き出すのに、これ以上に役立つ文言はない。――それみろ、奴ばらが転び合おってきた。

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