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「姐さん?」

「何だ?」

 野盗の副長が聞いてくる。こいつは何と言うか、全身に気合が入っている。見て取れる肌には漏れなく紋様が刻まれ、そして何より髪型がモヒカンだ。こいつにヒャッハーと言わせたい。頭ねじ切って玩具にしてやるを決め台詞にしてやりたい。

「俺ら、どうなるんですかね。クズでクソな俺等は相応として、下っ端の、まだ殺しをやってないガキども、あれも縛り首。そいつはちょっと……」

「大丈夫だ。問題ない」

「?」

「お前らは改心した悪党だ。凶悪で卑劣な頭目に悪行を強制され、義憤からこれを成敗した。私はその立会人だ」

「そいつはちと事実と――」

「これがストーリーだ。全員に含めておけ」

 そもそも私は悪党が好きなのだ。ちんけで卑屈、虚勢第一なほど好ましい。

「――解りやした。仰せのとおりに致しやす」

「それでな? 私には少しばかり余暇がある」

「へい?」

 への字眉の副長に、これからを教えてやる。

「お前らはこの地の治安を回復する戦闘団になる」

「戦闘団の勤めは悪党をぶっ殺すことだ」

「悪党はいいぞ。殺せば爽快、民は喝采、領主は万歳だ」

「今日、私に殺されなかったのがお前らの分水嶺だ。励めよ?」


 やることができてしまった。弱卒を鍛え上げる以上に楽しい遊戯の魅力があるか、ないな。

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