表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の堕ちる空  作者: ニンニクゴハン
一章 始まりの街
8/18

始まりの街・8

「アリア!」


 ノックもせずに部屋の扉を開け駆け込んでくる高い声に、アリアは振り返る。夜空のような美しい長い髪が、名前を呼ぶ声に反応して揺れる。


「おかえりなさい、ジェノーべファ、カナエ、シエロ、マヤ」

「アリア、街はどうなってるの!? 壁の外にいた人が〝私に反応して魔物が現れる〟って言ってたよ!」


 ジェノーべファたち三人が険しい顔をしている中、シエロはひどく取り乱した様子で、すがるようにアリアの腕を握る。


「落ち着いて、シエロ。──まずは四人とも、無事でよかったわ」

「あぁ。それよりマオはどこだ?」


 ジェノーべファの質問に、アリアはコクりとうなずいて、街の状況とマオについて説明を始める。


「一時間半ほど前に、()()を二人連れて護りの間(この部屋)に来たわ。その二人に協力してもらって、今はマオと三人で街に出ているわ」

「客人? アリアも知らないヤツらなのか?」

「知らないと言うより──いえ、この話は今起こっている事を片付けてからにしましょう」


 アリアの含みのある言い方に、四人は首を傾げているが、アリアは気せず話を続ける。


 アリアは壁に掛けている地図を見ながら、四人に指示を飛ばす。

 現在地であるロの字型の神殿は、街の中央に位置している。


「マオたちは魔物の被害が大きい門の近く、北側に向かったわ。あなた達は二手にわかれて、東と南に向かって」

「西はどうなってる?」

「魔物はいるみたい。ただ西側は畑が多いから、人や建物にはそこまで被害は出ていない。作物は諦めて西は後回しにするしかないわ」

「そんな……せっかく育ってたのに……」


 マヤは眉尻を下げて顔を伏せる。

 アリアにもマヤの気持ちはわかるが、人手が足りない以上仕方の無いことだ。


「魔物がいるなら、おれが西に行く。シエロとマヤは南、カナエは東に向かってくれ。──やれるな、カナエ」

「当たり前だ」


 ジェノーべファとカナエはお互いの顔を見て、ニヤリと笑うが、アリアは首を横に振る。


「だめよ、一人で行くのは危険だわ」

「そうだよ、カナエもジェノーべファも、さっきので怪我してるでしょ? 諦めるしかないよ」

「大丈夫だ。ほら、マヤに治してもらったし」


 カナエは顔を上げてシエロに首を見せる。

 傷口は無いが、血が流れた跡が痛々しく残っている。


 埒が明かない言い合いをしていると、不意にドアが開いた。


 マオと先程アリアが()()と称した男女二人だ。


「マオ! 怪我してない!?」

「大丈夫だよ、マヤ。煌星(こうせい)くんと桜雪(おうせつ)ちゃんがすごすぎて、正直出る幕がなかった……」


 マヤは弟の無事を確かめるために、顔を見るなり駆け寄り、安堵の息を吐く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ