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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
あの日の記憶

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バカンス

「まあまあ、きっとそれだけ私達にも冒険者としての風格がついてきたって事だよ。じゃあ、次は私でいい?」

「それでは、さっちゃん、今回受けた依頼と目的、成果を簡潔にお願いします」

「私は貴族のおぼっちゃまの護衛をしてきたよ。跡取りとして見聞を深めるための武者修行って名目だったんだけど、現実はおバカなボンボンの豪華馬車での海外旅行って感じかな。やっぱりいるんだね、どこの世界にもお金が余って余って仕方ない人って。色々美味しいもの食べられたし、泊まるところも贅を尽くしたリゾートって感じて楽しかったなぁ」

「はいっ、さっちゃん自慢挟むのやめてください!!マウント罪で一点減点ね」


 思い出に浸るように遠くを見つめるサヤに向かい、ワカナが手作りのイエローカードを出す。


「何それ、そこまでの大貴族なら私兵くらいいるでしょ。それに銅等級の冒険者に護衛依頼とか胡散臭すぎるんだけど」

「うーん、別に変なところは無かったよ。ただ募集してたのが若い女の子の冒険者限定で、事前に面接があるのが珍しいといえば珍しかったかな」

「え、それって…」


 ナナセが何か言おうとして、続く言葉を飲み込んだ。


「なになに?何が問題なの〜??」


 ワカナはナナセが言い淀んだ理由が分からないのか、キョロキョロと姉達の表情を覗き込む。


「ワカナは気にしなくていい!!サヤ、いかがわしい事はしてないでしょうね!!」

「えー、男女間の睦ごとを皆の前で聞くとかデリカシーないなぁ。それは秘密ってことで。でも、私のこと凄い気に入ってくれたみたいで、かなり色つけてくれたよ。人徳のおかげかな」


 含みのある物言いに反応するミカヅキをからかうようにサヤが言う。


「なんかよく分かんないけど、成功だったってことで承認しました。それで、報酬はいかほどに?」

「全部金貨でピッタリ100枚。等級は上がらないだろうけど、タイパはかなり良かったかも。また行きたいな〜」

「いいな〜豪華旅行、今度はワカナも連れてって」

「ワカナはダメ!!まだ早い!!」

「えー、どうして?みっちゃん本当は羨ましいの??みっちゃんも一緒に行こうよ〜」

「たくさんいればいるほどお手当が増えるタイプの依頼だから、私は大歓迎だよ」

「手当って言い方やめなさい!!とにかくダメなものはダメ!!ワカナ、早く次進めて!!」

「はーい、次は………あっちゃんもみっちゃんも、後からが良い?じゃあ、ワカナの出番だね!!みっちゃん聞いて聞いて」

「あー、はいはい、依頼内容と目的と報酬教えてくださーい」

「なんかやる気が感じられないから一点減点しとくね。ワカナは山岳地帯を根城にして麓の町々に多大な被害をもたらす凶鳥、ワイバーンの討伐に行ってきたよ」

「なんでワイバーンなのに鳥なの?」

「ワイバーンを竜の仲間扱いすると、ドラゴンスレイヤーが増えちゃうからダメなんだって。だからこの国じゃカテゴリーは鳥らしいよ」


 ワカナがもたらした思わぬ豆知識に姉妹一同がへーと感心する。


「でもワイバーン討伐とか銅等級で受けられるんだね。レベル的には金等級以上とかかと思ってた」

「えっ、あっ、そだね、銅でも大丈夫だったよ、ワカナ嘘つかない」


 ナナセの何気ない疑問にワカナは分かりやすく動揺した。

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