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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
あの日の記憶

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毒竜の実力

 釣り上げた毒竜の姿、それはあたかも………


「ウミウシ!?」


 極彩色のヌメヌメとした皮膚に骨を持たないブヨブヨとした肉体。どこからが胴体で、どこが足なのかも判別できないフォルム。頭から突き出た触手は獲物をおびき寄せるようにその形を変幻自在に変え、無数の足は湖畔の石を溶かしながらその身を前進させる。

 次の瞬間、口のような場所から勢いよく半透明のガスが噴射され、湖畔一帯が霧がかかったような靄に覆われた。


「体内で生成した毒をガス状にして噴霧しているのか。石をも瞬時に溶かす酸性の粘液、身体を覆うヌメリ気のある粘液、毒ガスに触手………生かしておいてはならないモンスターであることは疑うべくもないな」


 不意に肌をピリッとした刺激が襲う。


「マジックバリア」


 オレは呆然と立ち尽くすクローネを抱きかかえ毒竜から距離を取ると、障壁を張り毒から隔絶する。


「ネックレスの効果で毒性には対抗できると思いますが、奴の毒には物理的な破壊効果も付与されているようです。そこにいれば少々の攻撃であれば防げると思います。ただマジックバリアも絶対ではありません。危険だと思ったら身をかがめながら一歩でも遠くに走ってください」


 下手にすぐ走って逃げるように指示すると、毒竜が本能的にオレを無視して追尾するかもしれない。

 カシャフの毒竜という大層な二つ名まで貰っているんだ、何の気兼ねも泣く正々堂々と真正面から戦い、この世界における強者とやらの実力を堪能させて貰おうか。


「ディメンション・ドア」


 短距離転移で毒竜と数十メートルの位置まで距離を詰める。

 しかし、こうして間近で見ると、竜というには禍々しすぎるデザインをしている。陽の光に合わせるように表皮の三原色が次々と移り変わり、突然目の前に現れた異物を警戒するように無数の触手が太陽を覆わんばかりの勢いで空へと伸びていく。


 体高は3、4階建ての小型のビル程度だろうか。全長はその数倍といったところだな。最早生物というよりも建造物を相手に戦っているような圧迫感を感じる。


「まずは小手調べといこう『ダークネスバインド』」


 オレの言葉を合図として、地中より無数の黒色の腕が生え、毒竜を黄泉の国へと引きずり込もうとする。低位の魔法ではあるが、拘束力はなかなかのものだ。これで身動きが取れなくなるようであれば興覚めではあるが………


「ゥゴォォォオオオオォォッ!!!」


 毒竜は形容しがたい粘り気のある唸り声を発し、身体にまとわりつく異界からの束縛を振り払う。次の瞬間、毒竜の身体が大きく膨らみ、口と思わしき部分から高速で何かが噴射される。


「マジックバリア」


 前方に魔力の壁を三重に展開させると、吐き出された液体が後方に弾かれていく。体内の水分をウォーターカッターのように圧縮して打ち出したのか。

 近距離で直撃を喰らった障壁はその衝撃に耐えかねるように一部が割れ、最も破損した部分では三枚目の壁でなんとか防いでいるような状況だ。マジックバリアは対魔法用の防御壁であり、物理攻撃に対してはプロテクションのような強度は持ち合わせてはいないが、それでも100レベルの魔法詠唱者であるオレの防壁を二枚まで撃ち抜いた威力は驚嘆に値する。なかなかの強者と言っていいだろう。


 ふふ、楽しくなってきたじゃないか。

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