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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
あの日の記憶

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クエストのススメ

「たしかにありえそうな話かも。そうなると兄さんが毒竜の討伐クエストを進めている間にお金を稼げるだけ稼いで、逃避行の準備をしないとだね」

「せっかく王都に来たのに、お金ないから全然美味しいもの食べられてないもんね。逃げる前にせめて一回はデザートビュッフェ食べないと、勿体ないお化けがでちゃう」

「わかったわミカヅキ。決まりね。兄様が帰ってくるまでの10日間、依頼をこなせるだけこなして稼ぎまくるわよ。兄様が無事解放されるなら良し、卑劣な手段で再び投獄されるような事があれば、相応の報いを味あわせたあと国を出ましょう」


 アツコの言葉に妹達も頷く。


「じゃあ、早速ギルドに行ってクエスト受けないとだね。どんな依頼うける?私は楽して儲かるのがいいな。貴族とか大商人の護衛とか」

「ワカナは派手なのがいいな。ドラゴンとか巨人とか魔王とかそういうやつ!!こっちに来てから弱い相手としか戦ってないし、ランスオブラウンズも暇だよ~って言ってるもん」

「私は巨悪を征伐するようなクエストがしたいかも。みんなで世直しのお手伝いするのもいいよね」

「何勘違いしてるの、稼げるだけ稼ぐっていったでしょ。一人一人が依頼をこなすの。5倍稼げる」

「いいわね、誰が一番稼げるか競争ってことでいいかしら」


 ミカヅキの言葉をうけ、アツコが不敵な笑みを浮かべる。


「競争か、面白そう。もちろん最下位には罰ゲームだよね、楽しみ〜」


 サヤは競争というフレーズを聞くと、何か良からぬことを思いついたのか一人微笑む。


「ふっふっふっ、遂にワカナが一番優秀だと示す時が来たようだね。ドベは一週間ワカナ様って呼ぶように」

「なに勝手に勝った気になってるの。まっ、それくらい張り切ってくれたほうが私としては有難いけど」

「誰が一番になるか賭けるのもありだね!………自分の勝利に全財産ぶっこんで背水の陣で挑むのも悪くねえな!!」

「ナナセ、落ち着きなさい、当面賭け事は兄様に禁止されてるでしょ。とにかく、不本意な状況に陥っている兄様のためにも特大のプレゼントを用意するわよ。万が一にもクエスト失敗なんてみっともないにならないよう気をつけなさい」


 イツキが捕まって以来、沈み込みがちだった空気が俄かに湧き立ち、姉妹間にメラメラとした炎が燃え上がる。


「でも、ナナセちゃんとワカナはまだ白磁級だよね。受けられる依頼限られちゃうんじゃない」

「そこは大丈夫よ、みんな銅等級冒険者『疾風』のメンバーとして登録してあるから、銅等級までの依頼なら受けられるわ。それに…」

「それに?」

「いえ、なんでもないわ。じゃあ10日後ココで集まりましょう。メッセージは緊急時以外禁止。途中経過がわかると面白みに欠けるしね。役目を終えて戻られた兄様をみんなで驚かせましょう。兄様はサプライズが大好きだから」


 アツコの言葉を受け、それぞれが思い思いの依頼を受けるため席を立つ。その後ろ姿を見守るアツコの口の端には微かな笑みが張り付いていた。

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