表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
あの日の記憶

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

364/464

第103回兄妹会議

「では、第103回兄妹会議を開催いたします。司会は稀代のプリティーエンジェル、ワカナが務めさせて頂きます。それでは御臨席の皆様、本日も活発な意見交換のほど、よろしくお願いいたします」


 ワカナが恭しく頭を下げると、ナナセとサヤが『わー、ぱちぱちぱち』と拍手し場を盛り上げる。


「大きな音ださない!!森の中とは言っても王都に近いって分かってるの!?」

「あ~、言ってる本人が一番うるさいやつだ~」

「みっちゃん、ご静粛に。とりあえず減点10つけとくね」


 まだ点数制いきてるんだ。アイドルがやってる深夜番組みたいに、いつか点数精算回とかあるのかな。


「星空の下で話し合うのも風流ですね、兄さん」

「金欠で宿取れないだけ」


 ナナセの言葉をミカヅキが不満気な口調で遮る。


 そう、オレ達は王都に程近い森…というか雑木林のような一角で、火も焚かずに野営をしていた。ミカヅキの言うように金がないというのも理由の一つではあるが、それ以上に宿に泊まることにより追手に見つかるリスクを避けることが主目的だ。

 王都までは徒歩でも数時間の距離。手配書が回り始めてから1週間以上経っていることから考えると、顔を見られたらほぼ一発アウトだと思っておいた方がいいだろう。


「それよりワカナ、今日の議題はなんなの?」

「あっちゃん、ナイスアシスト、10点加点しとくね。今日のテーマは『倒せ国王!!ドキドキ王宮カチコミ大喜利』だよ」


 倒すの前提なんだ、野心的だな。

 あとカチコミも決まってるんだ、物騒だな。


「ワカナ達がなんで王都を目指しているかと言うと、王様に会って、いっちゃんがやらかした色々なことを許して貰うのが目的だった気もしますが、最終的に問題解決すればオールオッケーということで、現状を打破するための柔軟かつ面白いアイデアを『5・7・5・7・7』でお願いします」


 狂歌形式なんだ、ハードル高いな。

 あと最終的に問題解決してればいいんだ、不穏だな。


「面白い案あるよ、という方は挙手でお願いします。はいっ、なっちゃん、早かった。では、ワカナが『どうやって王様に会うつもりですか?』と聞くので、それに続く形でリズム良く回答お願いします」

「えっと、じゃあ…」

「まだだよ、今のは説明だから。ワカナが聞いてからね。とりあえず減点100ね」


 インフレ凄いな。あと前回も思ったんだけど意外とルール厳格なんだよな。

 身内相手でも締めるところは締める、見習わないとな。


「それでは、なっちゃん、どうやって王様に会うつもりですか?」

「王宮に 自ら名乗り まかり出て 一生懸命 弁明………なう!!」


 最後強引に文字数合わせにきたな…でも失敗したな。


「ちょっと文字数オーバーしたけど、最後に『なう』をつけるセンスは良いですね。選ばれるかどうかはさておき、とりあえず加点100で」


 なう万能だな。

 使い得の可能性あるな。


「捕まる前に自首して釈明ってとこかしら」

「うん、他に色々考えたんだけど、どうしても強引な手段になっちゃうから、一度誠心誠意はなしてみるのが良いかなって思って。どうですか、兄さん」


 うーん、話を聞いて貰えず牢にぶち込まれて、即処刑の未来しか見えないけど、誠実なナナセらしい案だな。


「国王に会う前に殺されて終わりでしょ」

「えー、良い案だと思うけどなあ。ちゃんと経緯を説明したいって『自首』したのに、相手がこっちの言い分も聞かずに一方的に処分しようって流れなら、『身を守るために抵抗』しても仕方ないしね」


 サヤが間違いなくナナセの意図する方向とは別角度から賛同してるな。ただ、一度自首することで禊を済ませて、そこからは相手の出方次第で行動を変えるというのはありかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ